テレビを見る習慣がないので『京都人の密かな愉しみ Blue 修業中』の新作が今週の土曜日に放映されることを、またしても実家からの連絡によって知る。このあたりの捕捉には抜かりがあったことがない。そして初代『京都人の密かな愉しみ』を受けたこのシリーズも、この作品をもって完結となるらしいのである。公式ページの「足かけ5年」の記述には、ある種の感慨深さが込められている。相楽樹から吉岡里帆への主役交代、江波杏子の死去、COVID-19もあっての5年といえば、もちろんただの5年ではなかったのである。季節は春、テーマが修行時代からの卒業という話であれば、大団円を今から楽しみにしている。
常盤貴子が二十四節気につながる名前を持つ主人公 三八子を演じた前のシリーズも全5作だったけれど、後半は少し持て余したような感じもあって、最後はフランスに旅立つというある意味で驚愕の結末で、『散る桜』と副題がついていたのである。主要キャストを5人も据えた『Blue 修業中』は群像劇であるがゆえにその轍は踏まず、『門出の桜』というのも心強い。このうえに新シーズンはあるだろうかという点が気がかりではある。