あなたが眠っている間に

このところ韓ドラは新作の配信を中心に回していたのだけれど、2017年の『あなたが眠っている間に』を観始めている。イ=ジョンソクとペ=スジが主演のSF設定のドラマで、予知夢を題材にまぁまぁ自由な話が展開するのだけれど、イ=ジョンソクはコミカルな部分が多い役回りでちょっと楽しい。このスジも嫌味がなくていい。

制作では、ディレクターと脚本が『スタートアップ』と同じで、なるほどという感じ。しかし、夢を使って融通無碍に展開するこのフォーマットは、あまりに縛りがなさすぎるというものではなかろうか。

鎌倉殿の13人 #5

『鎌倉殿の13人』は第5話にして三郎こと北条宗時が退場する。それにかかわるのが第1話でこの物語の暗黒の断面を見せた梶原善演じる善児である。これが優れた脚本の仕事というものか。これまでのコミカルな流れは凄惨な平安の闇を際立たせるし、北条時政と大庭景親の名乗り合いも時政のこれまでのキャラクターから違和感なく続くエピソードとみえて、史実の言葉戦いを扱っているという周到さで感心しきり。北条の女たちの役回りもいいし、何より相変わらずの坂東彌十郎の圧倒的な存在感が素晴らしい。好き。

東京は日曜日では最多の新規感染確認を記録する。ブースター接種にそれなりの効果が期待できるとして、その目処も立たないまま成り行きに任せようという様子だが、もちろん自然に収束というわけにはいかないはずである。

非常事態

この日、全国の新規感染確認は10万人を越える。地元ではすでに対応能力の限界を超えていると見えて数字が高止まりしたまま推移して、検査陽性率は20%を超えている。いうまでもなく公衆衛生上の非常事態は継続しており、この様子だと脆弱な部分をあらかた食い尽くすまで拡大は続き、熾火は残るだろう。前日の全国の死者は100人を越えているが、感染確認が飽和状態だとしても重症者と死者の数はリードタイムをともないつつ、やがてさらなる増加曲線を描くことになる。

引き続き『ミステリと言う勿れ』を観ている。タイトルの言う通りミステリのようでミステリではないし、もともとどこか歪な物語なのだけれど、菅田将暉による菅田将暉でしかない久能整がなかなかいい。

オールド

『オールド』を観る。M=ナイト・シャマラン監督が得意とする超常的な設定のスリラーで、例によって冒頭から、平凡な家族の様子にどこか不穏な影があって期待は高まる。観光に訪れたリゾートで人気のないビーチの時間を楽しもうとした人たちが異常な現象に見舞われる話なのだが、ホテルの送迎バスの運転手の役で監督自身が登場するところを含めて、いつも通りという雰囲気は悪くない。

とはいえ、結末のつけかたは意外に強引で嫌う向きも多いのではなかろうか。スクリーンテストの結果として取って付けたような勧善懲悪バージョンにラストが差し替えられたみたい感じなのである。異常な状況が明らかになっていくあたりの異様なテンションでのやりとりには十分なシャマラン風味があって楽しめたものの。画面のレイアウトや撮影も全体的に実験的で面白い。

特に驚くべきことでもないのだが、本作のトレーラーは結局のところネタをあらかた割っているもので、未見の向きはこれを観ずに鑑賞した方が絶対いい。

光るとき

『平家物語』の第4話を観る。鬼界ヶ島に流された俊寛のくだり。「これ乗せていけ具していけ」という一節に中学の古文の教科書にあった『足摺』を思い出す。三つ子の魂百まで。重盛は歴史の舞台から降り、早々に退場していく。平家没落の印象はますます濃く、1話20分そこそこの尺にバランスよくエピソードを盛り付ける仕事の出来映えは相変わらず素晴らしい。脚本は吉田玲子。

この作品は隅々までクオリティが高いので、イントロもスキップせずに毎回、オープニングを観ているのだけれど、羊文学の『光るとき』が気に入ってよく聴いている。リリックをきちんと発音する歌い方はこの物語のイメージによく合っていると思うのである。ギターの空気感も最高。

666

この日、東京の1日の感染確認は初めて2万人を越える。オミクロン株に対するワクチンの防御効果が限定的で、保育園や学校での感染が多発している以上、一家全滅というケースが多発していると思うのである。2万人はもとより全体を捉えていないだろうし、もちろん観測上のピークですらないであろう。ここにきて死者の増加ペースは明確に上昇し、結局のところコロナはコロナであるということを見せつける。

長野県の感染確認も666名という獣の数字で過去最高を更新する。いやはや。

恋せぬふたり #4

『恋せぬふたり』の第4話を観る。バリアフリーには無縁な家という設定が活きる展開になるほどと思い、カズくんの鋼のような神経に感心して、またもやこのクリフハンガーで次回に続く。次は2月21日の放送だとかいう話で、恐らくは冬季オリンピックの影響だろうけれど一体、どうしてくれるのかと。

この日、国内の新規感染確認は引き続き8万人を越え、そこかしこで検査の声も聞くようになって火の手が間近に迫っている印象。検査における陽性率は高止まりした状態だろうから、無症状も含めた面的な広がりはかつてない状況になっているのではなかろうか。一方、これが自然にピークアウトするまでにはもう一段どころではない地獄を潜らねばならないはずで、手を拱いている理由は依然不明。