スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム

『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』を観る。トム=ホランドの『スパイダーマン』3作目にして、ホームを冠したシリーズのラスト。MCUの作品世界そのものをマルチバースという概念で引用するマニアックなつくりで、初学者には辛いが、ファンにはいろいろとうれしいストーリーになっている。アメコミというのは、もともと作品同士のつながりを楽しむようなところがあるから、悪くない趣向だと思うのである。話もスペクタクルが過ぎないあたりが好ましいし、ヒーローのモラルがこのようであった時代を懐かしく思い出したものである。

当地は桜の盛りとなり、花冷えの一日。このところの雨で庭の草木も勢いづいていたところを押し止められた様子。山はまだ眠っている。この季節は好きである。

2022/4/16

窓際のスパイ #4

『窓際のスパイ』の第4話を観る。ジャクソン=ラムが動き出した途端、若手カートライトの影もだいぶ薄くなる。ゲイリー=オールドマンは老獪ぶりが際立つ薄汚い風貌だが、違和感のなさは名優の仕事というものだろう。秘書のスタンディッシュにも見せ場が用意され、全編が「遅い馬たち」が逃亡しながら反撃を窺おうかという展開で、物語はクライマックスに向かう。

OneDrive for Apple Silicon

Apple SiliconのMacでRosetta2を導入せずに、つまりIntel用のバイナリを使うことなく運用するという流派があって、そのこと自体にはミニマリストとしてのライフスタイル上の信条くらいの意味しかないとは思うのだけれど、このところUniversal対応するアプリが増えてきていることもあって、今さらRosetta2を導入するのが悔しくなっている。まぁ、そういう質である。

Microsoft 365を運用しているので、OneDriveアプリのネイティブ化が残された課題だったのだけれど、3月の初めにネイティブ対応が発表され、ネットニュースでもその報が幾つも流れ、しかしAppStoreで降りてくる新しいバージョンは相変わらずIntel版というおかしな状況が続いている。比較的にシェアが低いのか、日本語ではそれに言及する情報は見当たらないのだけれど、Microsoftの開発者ブログには批判のコメントがいくつも投稿されていて、しかしレスポンスが特にないので、結局はよくわからないことになっている。

Microsoft.comでOneDrive for Macを検索してもIntelのものしかダウンロードできない状況で、開発者ブログに参照されているページからのみApple Silicon用のアプリが入手できる状態のようなのだけれど、これは公式リリースと言えるのであろうか。

そう思いながらインストールしたのだけれど、特に不具合もなく動いているので、しばらくするとAppStoreもUniversalに切り替わるのであろう。微妙に大企業の宿痾が感じられる話だが、最近のMicrosoftは頑張っていると思うし、多くの人は気にもしない話に違いない。

ながたんと青と 八

本日発売、『ながたんと青と』の8巻を読む。全7巻だと思って夜なべして読んだら「つづく」となっていた前回の続き、ひと山ふた山あってそろそろハッピーエンドの形を整えてくるのではないかと予想していたこの戦後ロマンスは、新たな登場人物も迎え第2章という雰囲気でまだまだ終わりそうにない。もどかしさの狭間でどれだけ話を引っ張るのかという展開で、韓国ドラマでいうなら第6話くらいの様子なのである。引き続き面白いので、いいけど。

長野県の新規感染確認は、今週に入って過去最高をたびたび更新して1日あたり800人を超えるようになってきている。足下では1年延期されていた善光寺のご開帳や諏訪地方の御柱祭が行われているので、心あたりが多すぎるほどなのだが。

転換点

フランスの大統領選挙は直近の予想通り現職と極右の決選投票にすすむ。そのなかでは左派の退潮が明らかになったといわれているけれど、ヨーロッパで戦争をやっているさなか、フランスに権威主義的でプーチンに共鳴する極右政権が誕生するとどうなるのか、思考実験としては面白いが、実際となれば面白いどころではすまないだろう。歴史はあらゆる可能性を試そうとするが、その複雑さを完全に理解することはできない。

アメリカの消費者物価は40年ぶりに8.5%という大幅な上昇をみる。これは明らかに悪性のインフレで、もちろんその影響は広範に及ぶことになる。自然界に目を転じると、アメリカで大規模なハリケーンが日常化しつつある気候変動の動きは明確として、日本では福島沖に加え、石川・能登の地震活動が活発化していると注意が呼びかけられる。

そんな4月。

名探偵ステイホームズ

『名探偵ステイホームズ』を観る。リモートワークに慣れた揚げ句に失職した引きこもり探偵が『search』みたいにPCの画面の中で事件を解決していくという設定は悪くないのだが、ストーリーはやや子供向け。前編のPOVパートから怪しい感じはあったのだが、結末あたりはいろいろ投げてしまった感じがなくもない。もう少しシリアスに寄せてあれば、それなりに見応えのあるものとなっていた気がしなくもないのだが、どういう層を狙ったドラマなのであろうか。タイトルが秀逸であるだけに残念だと思うのである。

この日、新たな変異を重ねたオミクロンXEが国内で確認される。感染力の高いものが勢力を拡大する道理に従って、この株がやがて主流となる未来も有り得る。ブースター接種の進展によって集団としての免疫はやや高く保たれている現在がベストコンディションだとすれば、第7波はさらに驚くような規模の感染を確認することになる可能性もある。だとしても、現在の空気からして、この国が積極的な感染抑制策を再開するのはだいぶ先のことになるに違いない。しかし、そのことはもちろんウイルスの病原性の低さを保証するわけではないのである。

私たちのブルース

『私たちのブルース』を観る。Studio Dragonの新作であれば、ほぼ無条件に観ても外れはないはずだけれど、タイトルが示す通り、市井のひとたちのあれこれの憂鬱が題材になっていると思うと、ちょっと身構える。基本的には能天気な話が好きである。

とはいえ、そこはStudio Dragonの物語であるから普通に見応えのあるドラマになっているわけで、もちろん暗いばかりの話ではない。だいたい、市井のひとがイ=ビョンホンやシン=ミナだったりするので、この私たちが本当に私たちであるかは微妙。済州島を舞台にしたオムニバス形式の群像劇で、シン=ミナも第1話では登場しないけれど、『海街チャチャチャ』と同じく、海辺の町の風俗が見どころのひとつになっている。きちんと細部が作り込まれていて、情報も多いけれど韓国ドラマの尺の長さがそれを吸収しており、とりあえず出だしは悪くない感じ。