スクリーム(2022)

『スクリーム』を観る。シリーズの映画としては第5作目、第4作の直接の続編だけれど、2015年に亡くなったウェス=クレイヴンが監督していない初めての作品となる。ワインスタイン・カンパニーの閉鎖のあとも生き残った企画としては原点回帰を売りにしたい様子で、第1作への強い執着に特徴のある脚本になっている。初代は1996年の作品だから、ほとんど四半世紀経って本作は日本での劇場公開もなかったし、もとの映画を観ていないと面白さはまったくわからないだろうから、ほとんど中高年向けの作品だろうけど、若い世代とネーヴ=キャンベルらのレガシー世代が共演しているのでファンにはうれしい。劇中の映画『スタブ』に自己言及するのが流儀になっているけれど、Netflixで配信中のフランチャイズシリーズに対する敵意がほの見えるやりとりもあって、映画こそ本家本元の矜持はあるみたい。

冒頭のシーンには当然のように固定電話が鳴り響くのだけれど、今どきの話であれば固定電話がかかってくること自体が薄気味の悪い話といえ、時代の移り変わりはそこにも現れる。シドニーとデューイ、ゲイブは中盤からの登場で、この人たちももう50歳前後というところだろうから、相応にくたびれている。映画とスラッシャー映画のルールについて登場人物に語らせるフォーマットは健在で、自己言及がジャンルの衰退を意味するのであれば、この分野もかれこれ25年衰退し続けていることになるが、まずまず面白い。どうやら第6作までは制作が決まっているらしいのだが、とはいえ、さすがにそのあたりで打ち止めということになるのではなかろうか。