艱難

前線の停滞によって1週間は降雨が続くとみられている秋田・青森近辺では、この2日ほどで平年ひと月の2倍となる積算降水量が観測されて先行きが懸念されている。前線の停滞に加えて台風8号が発生する見通しで、週末にかけて関東から東北に向かう予想となっている。

COVID-19の全国の1日あたりの新規感染確認は初めて25万人を越えたけれど、特に行動制限はないままお盆にかけた人流の拡大が始まる、そんな盆休み前。日本は3週連続で世界最多の感染者を記録し、医療機関の対応は限界を超え連日百人以上が亡くなる状況だが、これを見ないことにしようというのが本邦の現在地である。

プレデター ザ・プレイ

『プレデター ザ・プレイ』を観る。『プレデター』を遥か過去に遡る前日譚で開拓以前のアメリカが舞台。賢い犬の出てくる映画は好きだが、コマンチ族の話にしては妙にアメリカナイズされているので、話の半分くらいはそっちにもっていかれてしまう。話がすすむにつれて違和感が薄れ、ネイティブアメリカンだけでなく野蛮な入植者の一群が狩りを仕掛けるあたりからは、それなりに面白いと思ったものの。無論のこと基本的にはお約束通りの展開なのだが、あまり回りくどいところがなくていいのではなかろうか。

ラストでカメオ的に登場するのが『プレデター2』でダニー=グローヴァー演じる刑事が受け取ったフリントロック銃である。アメコミではプレデターはそれなりに人気がある一派を形成していて、『Predator 1718』という作品にはこの銃の持ち主であるラファエル=アドリーニその人が登場するらしいのだけれど、時系列と刻印の内容からして本作がそれより後の話ということであれば、プレデターがこれを回収する一幕があったことになる。

連休前夜

周囲は夏休みという雰囲気なのだけれど仕事。あれこれ細かい話を片付けて、いかにもゆったりとした連休前夜。休みが始まってしまえば終わるしかないというわけで、いちばん幸福な時間帯といえるかも知れない。

函館では1893年以来、観測史上初めての大雨で1時間に63ミリが降る。日本海から東北にかけてかかった前線がこのあと大雨をもたらすのではないかと心配されている2022年のお盆。

事件からひと月経って、これまで旧統一教会への言及の甘さが指摘されてきたNHKが団体名を見出しに使っての報道を始める。さすが報道の自由が71位とされた国だけあるという嘆息も出るというものだが、今回の「解禁」にしたところが内閣改造に向けて清和会を牽制する動きに使われているだけに過ぎないのではないかという疑いが拭えない。

悪禅師

『鎌倉殿の13人』第30回を観る。新納慎也が演じる阿野全成の退場回。これまでその人柄の良さから悪禅師と呼ばれた荒くれぶりは感じられなかった全成だが、最後に八田知家の心胆を寒からしめるエピソードでその辻褄を合わせにくる脚本の妙味に感心する。かつてヘタレぶりで笑いをとった「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」、九字護身法のくだりをこのように回収にくるとは。そして、実衣の役柄も随分と深く掘られたものである。

今回、丈夫ぶりをみせた仁田忠常の最期も近い。まだまだ序の口なのである。

サマータイムレンダ

Rebuildで話題になっていた『サマータイムレンダ』が面白そうだったので、速やかに全13巻と外伝のコミックを買い求めて読み耽る。瀬戸内海に浮かぶ島への帰郷、幼なじみの訃報、葬儀、怪しい影、夏祭りというあたりの記号がひと通り揃っているだけで、これはちょっと本腰を据えて取り組まなければならないと思うタイプである。舞台の日都ヶ島は淡路島近傍という設定だけれど、無論のこと国生み神話が関わってきて満足度が高い。

2022年4月からアニメ版がオンエア中のようだけれど、こちらは未見。2クール全25話でCVは花江夏樹ということだが、配信はDisney+のみらしいのである。そういえばそろそろDisney+を試す頃合いかもしれないと思ってはいるのだが。

カーター

『カーター』を観る。記憶喪失のエージェントが闘いながら情報を収集し、ミッションを達成していくPOVスタイルの映画で、結果としてAAAのゲームを早送りでプレイしているよう。アクションもカメラワークもそれを意識したものになっていて、やたらと人が死ぬし、なにかとえぐい。ここまでゲーム的な表現にこだわった映画は珍しいのではなかろうか。ストーリーもゲームシナリオとして誂えたようなもので、原作となっている作品があるのではないかとさえ思ったものである。2時間以上の尺をそんな感じに徹底的に作り込んでいるのは立派という他はないが、忙しない画面には酔うし、まぁ、やたらと長く感じる。

事件は、その周りで起きている

NHKの夜ドラ『事件は、その周りで起きている』を観る。4夜連続の15分枠で、警察署を舞台にしたシチュエーションコメディというアイディア。生真面目な雰囲気の小芝風花と捉えどころのない笠松将の組み合わせが割といい。『LIFE!』の制作チームが手がけているという触れ込みだけれど、ちょっと変わった毛並みで悪くない。

コロナぶりの出張で京都まで。かの都は前日に過去最高の感染確認を確認しているのだが、日本は今やどこもそんな感じだし、止むを得ない渡世の事情もあって、このように感染は拡大していくのであろう。8月の京都は時おり、雨が降るという予報にもかかわらず灼けつくような日差しもあって、通りがかった西本願寺は新撰組の聖地巡礼があったとして、どこかに身を潜めており人の気配すらない。