浸透

国家公安委員会の委員長を務めた議員が旧統一教会の影響下にあり、その浸透工作が明らかでありながら、明確に関係を否定する。このアセットは関係を否定したことそれ自体によってカルトのより強い影響下におかれることになる。具体的な関係の暴露が弱みになる以上は、腐敗を越える害をなすに違いない。普通は国家に対する罪を問われる事態として扱われるはずである。NHKあたりはこの問題をうやむやにすることに熱心で、否定のコメントだけを無批判に放送するけれど、その態度は共謀共同正犯との誹りを受けても仕方がないのではないか。

この日、北陸に発生した線状降水帯によって山間部に大雨の特別警報が発せられる。気候変動が火と水の極端な事象を増やしている。最上川に集まった水が激烈な流れとなるのは少し後のことになるだろう。

末世

ウクライナでの戦争、パンデミックで急増する国内感染者と死者。気候変動の結果としての暑い夏、与党が永らくカルト宗教に共鳴してきた事実というだけでも十分に不穏なのに、アメリカがアルカイダ指導者をドローンで殺害し、ペロシ下院議長の台湾訪問計画を中国が威嚇という記事が並ぶ。

資源インフレと賃金インフレとモノ不足が同時に起こり、インフレ期待の亢進によって金融は引き締めを余儀なくされ、カネまで不足して世情はさらに不安定化するだろう。このあたりのキャスティングボートを握っているのは実はロシアで、天然ガスの供給をめぐって水面下で行われているであろう暗闘を想像してみる。

ジャパン・アズ・ナンバーワン

欧米でみられたBA.5の拡大もやや沈静化方向に向かい、100万人あたりの新規感染者では瞬間風速でも日本がもっとも高い水準となって8月に入る。このピークが過ぎるまでにはひと月以上はかかると思うのだが、医療は既にかつてない状況で移送先さえない有り様であることが頻りに伝えられる。しかし、同じニュースの枠でお盆にかけた予約が「V字回復」などと言われれば、テレビ局の正気を疑っても仕方ないのではないか。政府はあくまで人流抑制を行わない姿勢だが、医療の崩壊を踏まえれば持続可能な政策とは見えない。長い夏になるのではなかろうか。