ローレンス=サマーズはインフレの見通しについて、あまり楽観的なことを言わない感じだけれど、最近も8%を超えて高まったインフレ率が急速に下がっていくだろうとするコンセンサスは、1970年代の様子からは著しく楽観的であることをあらためて指摘している。おそらくその通り。そしてここから先は、失業率の高まりと賃金低下の圧力を確認しなければならないのだから、長く厳しい時間が続くことになる。
一方、日本はそもそもインフレ期待の喪失をかれこれ30年も問題として抱えているのだが、超低金利下での消費をはじめとする重税化や非正規化による構造的格差の導入を、処方箋として採用しようという国がないのはどうしたことか。