Mirage

『大豆田とわ子と三人の元夫』でもSTUTSの『Presence』がfeat.の異なるいくつものバージョンでリリースされたけれど、『エルピス』の『Mirage』も長澤まさみがボーカルに入っているOp.2のほか、Op.4まで出ていたので早速、これを聴いている。劇中の『贈る言葉』もなかなかの歌いっぷりだったけれど、長澤まさみは歌も上手いのである。ドラマとタイアップしたSTUTSのこの手法はなかなか楽しめる。

この日、江沢民元主席が96歳で亡くなったことが伝えられる。歳が歳だし、これまでも死亡説が流布されたことさえあったけれど、つい先日、党大会の閉幕式を胡錦濤元主席が退席させられた記憶も新しいうちの話だけに不穏な感じ。

TwitterクライアントではTweetbotを気に入って使っているのだが、この開発元のTapbotsがMastodonのクライアントアプリを開発中というニュースを見かける。Web UIのやや使いにくい感じがMastodonの弱みでもあろうから、使い勝手の良いアプリが提供されることは悪い話ではないと思うけれど、このあたりのSNSの問題は概ね無法地帯であるというところにあるだろうから、サービスとしての勃興にまでつながるかはわからない。そう考えるとフリースピーチを旨とするTwitter 2.0はこれまでのつくられた安全を投げ打って、テクノロジーによる自由を追求しようというのだから、Mastodonの現在地に近づいていく活動に過ぎないのではないかと思わなくもない。そもそもTwitterの問題が技術の外にあるとすれば、ハードコーディングを行う人間だけで達成できるようなゴールではないのである。

エルピス 第6話

『エルピス -希望、あるいは災い-』を観る。力のある言葉が次々と繰り出されて、ことに斎藤のセリフにはのけぞって、思わずメモってしまったものである。

俺と君はいつの間にか、相剋の関係にある。生半可な情理などで、それは埋められないものだ

こんなLINEを別れ話として送るキャラクターを成立させること自体、偉業というべきではなかろうか。脚本もすごいが、鈴木亮平もやはりすごくて予告をみる限り、役回りが変わってくる後半も楽しみ。劇中の時間はゼレンスキーが大統領となった2019年5月までは来ているけれど、COVID-19のパンデミックが扱われるのか少し興味がある。深く考えられた脚本であるからには、そのこと自体に意味があると思うのである。

軍拡

この日、首相が今後5年程度で防衛費をGDPの2%程度に増額する指示を財務大臣と防衛大臣に行なったということが伝えられる。財源がないから予算化できないということではなく、いろいろ工夫せよという訓示が添えられていたという話からは、いよいよ戦前の雰囲気になってきたという感じがする。かねての円安水準では、米国製の武器を買い揃える購買費が自動的に膨らむ構造だろうから、斜陽の国が一層、貧しくなる機構は既に国防の中核に埋め込まれているのである。

同じ日、中国で政府に対する抗議活動が活発化しているというニュースが次々と伝えられる。政権は国内統制のために外部的な緊張を求めるという論からすると、これも材料ということになる。23年以降の世界はいよいよわからなくなってきた。

スヘルデの戦い

『スヘルデの戦い』を観る。ノルマンディー上陸を果たした連合軍が、マーケット・ガーデン作戦で躓いた後のオランダ。ドイツの軛を逃れられるのではないかと喜んだのも束の間、やや持ち直したナチスの支配下にあって、協力者となっている医師とその娘、レジスタンス活動をする弟、グライダーが不時着してカナダ軍に合流することになる英国の兵士、ドイツ軍に身を投じている兵士といった複数の視点で物語は進む。ほとんど遮蔽物のない低地を進軍せざるを得ないカナダ第1軍の死闘を全編のクライマックスとして、それぞれの登場人物の運命が交錯する複雑な話が描かれる。オランダ映画としては史上2番目の制作費という話だけれど、国の転機ともなった激戦を扱おうという志が伝わるスケールで見応えがある。

そして、占領と解放というこの状況は現在、ウクライナで起きていることの写しでもあって、人間の歴史が相似を描くことの不思議とその当然を同時に感じざるを得ない。

『鎌倉殿の13人』は第45回、避けようもなく鶴岡八幡宮の大銀杏の顛末が描かれるけれど、実朝とは因縁浅からぬ歩き巫女の登場とその末路には震える。これまでデリカシーのない男として浮いた雰囲気を漂わせてきた北条朝時の使い方がまた、実に上手いのである。そして義時と平六のやり取りは全編屈指の見せ場でもあって、前回言及された嘘をつくときの癖のエピソードがここでも回収され、物語はいよいよ最終盤に向かう。

冬支度

翌週から冷え込みが厳しくなるという予報もあって、そろそろ自動車のタイヤを冬仕様に交換するタイミング。かねて予約してあったので、ディーラーに出かけてスタッドレスタイヤに交換する。日中はまだまだ暖かい様子だけれど、急に冷え込んで路面も凍結するようになるのが当地の気候というものなのである。交換タイヤの溝が心許ないことになっていたので、YOKOHAMAの新しいものを買い求めて備えは万全。

COVID-19はいよいよ5類への変更をすすめようという話のようだけれど、増え続ける死者と超過的な死亡を容認して、一定の割合で発生する後遺症の問題にも目を瞑ったその果て、経済優先という目論見を達成できるとはとても思えないがどうなのか。

この動画は再生できません

Amazon Primeで『この動画は再生できません』を観る。一話20分ちょっとの連作で、映像スタジオの編集マンが投稿されてきた心霊ビデオを吟味していくうち、そこに隠された真相を解き明かすという趣向で、よくある心霊ドラマかと思えば、日常の謎系のミステリというあたりが目新しい。TVKで放映されているドラマらしいのだけれど、『デリバリーお姉さん』を作ったテレビ神奈川であれば不思議のない面白さ。タイトルで検索すると、動画サイトのFAQがずらずらと出てくるのはご愛嬌。

Air60

サッカーのワールドカップで日本はドイツを破る金星をあげたらしいが、祝日の昨日はゴロゴロしているうち20時過ぎの記憶がないので、寝不足だという人たちの話もへぇと聞くばかりで何だか居心地が悪い。遥か昔、W杯開催中のオランダに出張した時に、タクシーの運転手にサッカーには興味がないと言って呆れられ道中、懇々と人としての道を説かれたことに比べれば、日本のファンなど気合いが足りないという気はするけれど。

少し前にNuPhyのAir75を買い求めて主に仕事で使っているのだけれど、Keychron K2よりもロープロファイルで打鍵感もなかなかいいので気に入っている。この、いわゆる75%キーボードよりもコンパクトなAir60という機種もあって、その名の通り60%キーボードなのだけれど、同じようにわりあい良さそうなので気になっている。まず、端末の数よりキーボードが多くなってきたら沼の危険を認識しなければならないが、折しも直販のサイトはブラックフライデーのセール中なのである。