第8波

『すべて忘れてしまうから』の第9話を観る。これまで物語を駆動してきたFの帰還とその改めての喪失という展開で、言葉通りの長いお別れという構造というわけだけれど、そもそもタイトルがそれを示唆している。この静かな話は好きである。

米国の中間選挙は予想された共和党の圧倒は実現せず、勢力は拮抗の流れ。現状に対する大いなる不満はあったとして、共和党のあれこれが相干渉して波が打ち消されたということであれば、トランプ的なものに訣別する機会はまだ残っているはずだが、すぐに新たなトランプが台頭するだろうことも確かだろう。

県内は新たな感染者が3,000人を超えるという8月以来の状況で、もちろん、いわゆる第8波は既に到来しているのである。その高さがどの程度のものになるかは実はSIRモデルそのものを参照すればいいというのも、その通り。積極的な対策がない状況では、感染拡大そのものによる免疫拡大と萎縮によってピークは形成されるだろう。今回の被害も甚大なものになる。

エルピス 第3話

『エルピス -希望、あるいは災い-』の第3話を観る。やはり、このドラマは秋クールの筆頭に挙げるべき出来栄えである。眞栄田郷敦のモノローグが特に味わい深く、あああ正しいことがしたいなぁというセリフがついに出来する流れに思わず身震いしたものである。長澤まさみ演じる浅川恵那が、たったひとりで正しさに突っ走っていくラスト、エンディングの『Mirage』を入れる余地がないくらいみっちりと詰まった今回もやたらと見応えがある。そして被害者 井川晴美の姉 純夏として登場したのが木竜麻生だったので感激している。

このドラマにもスピンオフドラマがあるのを発見したので、引き続き『8人はテレビを見ない』を観る。8人組のダウ90000による会話劇は、スピンオフといっても本編とはほぼ関係のないコントだけれど、微妙に重要な瞬間につながっていたりして楽しい。

Dataview

このところまたObsidianを使っている。まずは基本の挙動に慣れるという気持ちでコアプラグインを中心に運用してみたのだけれど、だいたい思い出してきたので、コミュニティプラグインに手を出してみる。基本機能でも使い勝手の良いQueryがあるのは便利だけれど、サードパーティで人気のあるDataviewは簡単な記述によってリストやテーブルの形式で、リンクを呼び出すことができるので重宝している。この方向を突き詰めるとデータベース型のノートアプリになると思うので、同じ山を別々の方向から登っているような気がしなくもないものの。

ウクライナの戦争の動静はよくわからない時間帯に入っているけれど、ロシアで動員された500人規模の大隊が装備もないまま前線に放置されてほぼ全滅したということが、ロシア側遺族からの話としてニュースになっている。対独戦のレニングラードみたいな話だけれど、だからこそ信憑性がある。そして結局のところ国家が同じことを繰り返すのなら、自国政府だけが例外であると考える理由もないと思うのである。

第1話

Disney+に『逃げるは恥だが役に立つ』の配信が来ていて、もちろん何度となく観たことがあるのだけれど、第1話を再生したところ、ついこれに見入ってしまう。この密度の導入といわゆる恋ダンスの破壊力あっての大ヒットだったわけだけれど、言うまでもなく大傑作なのである。当方としては、2016年再評価の活動が続いているのだが、今さらながら奇跡のような年であったことよ。

『鎌倉殿の13人』第42回は、雪の鶴岡八幡宮につづくさまざまな思惑が交錯して、八田知家の願いも空しく宋船は砂浜に朽ち果てる。一方、このまま退場かと思われた坂東彌十郎の晩年が語られ、闇堕ちしたかにみえる義時の、太郎泰時を使いとする心遣いに親を想う心を知る。劇伴にもいよいよ『ゴッドファーザー』の雰囲気が濃く、全編のクライマックスに向かう。

エノーラ・ホームズの事件簿2

Netflixで『エノーラ・ホームズの事件簿2』を観る。原作の小説は未読。前作をそのまま引き継いで、母親役のヘレナ=ボナム・カーターも活躍する素直な第2作となっている。家父長制への強烈な異議申し立てを背骨として歴史上、女性初のストライキを主導した実在のサラ=チャップマンを題材にしているあたりの一貫性は好ましい。オリジナルのヤングアダルト小説にも、きっと筋の通った姿勢があるのではないかと思うのである。登場人物が観客に向かって語りかける、Breaking The Fourth Wallをうまく使った映画でもあるけれど、ミリー=ボビー・ブラウンは実に達者にこの特権を演じて違和感がない。順当な続編である。

引き続きTwitterは大揺れで、本国どころか日本の法人でも従業員がいきなり解雇という事態になっているみたい。雇用関係の常識的なプロトコルを無視した横紙破りを当たり前にされては万国の労働者が迷惑するというものなので、ここはきっちり闘争していただきたいものである。

アースストーム

Netflixのドキュメンタリー『アースストーム 牙をむく大自然 火山』を観る。火山の話が好きである。火山のほか竜巻、地震、ハリケーンを題材として4話で構成されているドキュメントシリーズだけれど、この四天王では火山が最強であろう。爆発指数1から噴火規模の拡大をおって事例が紹介されるのだけれど、爆発指数8ともなれば上限がなく、その噴火は宇宙速度に到達するだろう。そう考えるとこの文明は、破局的な噴火を記憶するほどの時間も経ていない、ほんの一瞬を謳歌しているに過ぎないのである。

この日、折りからミサイルの発射を繰り返している北朝鮮から、180もの軍用機が飛来して韓国空軍は80機ほどを緊急発進させる。ウクライナのザポリッジャ原発では4回目の外部電源喪失が起きる。かつてでは考えられない事態が既に起き、深刻度は日々増しているのだが、引き返し不能地点がどこなのかを知る人間はどこにもいない。

値打ち

引き続き『すべて忘れてしまうから』を観ている。Fの視点から話がすすんだ前回に続き、緩く物語を駆動してきたFの失踪の一部始終にカタがついて、次回予告も何となく終点を予感させる第8話。しかし全10話というからには、まだ語るべきことが残っているということだろう。宮藤官九郎が演じるフクオが、青い鳥みたいに目の前にいた猫のナベシマを見つけ出す流れから、その嘘には値打ちがあるというあたり、ただ緩い話ではないのである。やや強めの狙いを感じるところがあるとして、この雰囲気は既に結構、好き。

FRBはさらに0.75ポイントの利上げを決める。以降は効果の見極めをしながら、小幅な利上げの動きになるのではないかという見方が優勢だけれど、いくら何でも効果が出てくるだろうというのがその根拠で、一方これまでの指標は特に傾向の変化を示唆していないとわけだから、依然、未来は誰にとっても不可知の領域にある。