鎌倉殿の13人 #18

『鎌倉殿の13人』は壇ノ浦の戦いを描く前半のクライマックス。このところ仲間たちの愉快なエピソードは鳴りを潜めているところ、ひとりガッキーが場を和ませようというのである。有難い。

舵取の射殺は凄惨な戦いを義経の個性に寄せる象徴的な扱いで描かれ、腰越状は偽作説に近い扱いだが、ここに平宗盛親子の情や義経との交流を絡めつつ、宗盛自身も気高さのある人物としているのは三谷脚本オリジナルの文脈でやはりうまい。

この時節に非戦闘員を巻き込む戦の話が重なるとは制作サイドにとっても予想外のことだったに違いないが、優れた物語は時代と共鳴することがままあるというのは、かねて確信しているところである。義経登場の折の、腰越での話もきっちり回収し、悲劇の予感はいや増しつつ次週に続く。

この日、連休の人出を反映してか、COVID-19の新規感染者数は増加に転じたように見える。これまでそれなりのペースでの減少を続けていた傾向からの反転であれば、やはり人流の影響は大きいのである。沖縄は既に厳しい状況にあると聞くが、この数日で今後の方向が明らかになってくるだろう。もうすっかり終わったような雰囲気だけれど、オミクロンの病原性もさほど低くなかったという知見が見え始めているようである。この連休は3回目接種の効果がいちばん高い時間帯に重なっていたと思うけれど、今後はそういうわけにもいかないのではないか。