このところ毎週の楽しみとなっている『エルピス -希望、あるいは災い-』を観る。悪名高い神奈川県警がほとんど捜査をせずに事件を揉み消そうとしていると言及されるのがこのドラマである。そしてどんどん厚みを増していく眞栄田郷敦が相変わらずいい。普通の言葉によって紡がれるダイアログが、ゆっくりと自己欺瞞を削ぎ落としていくプロセスを体験している。
この日の深更、ポーランドの農場にウクライナを越えて飛来したロシアの巡航ミサイルが着弾して民間人の犠牲者が出たことが伝えられる。無論のことポーランドは今や、北大西洋条約第5条が想定する集団防衛の一部であり、NATOと戦っているのだという修辞でこの戦争を正当化してきたロシアが、ついに現出せしめた直接被害ということもできる。