このところで薄寒い思いをしたのは、マクロンと会談したプーチンが冷戦後のNATO拡大について繰言を述べていたというニュースである。その主張は、3年前の会談から大きく印象が変わったというコメントもあって、晩年に差し掛かった独裁者がどんな思想の毒にやられていてもおかしくない現実の恐ろしさを垣間見る。それ以前、単に老人性の痴呆の進行とともに即物的な損得勘定ができなくなっている可能性だってなくはないのだ。その一存で大規模な武力行使が決断されるとして、これを押しとどめる力は作用しないのではなかろうか。もう数日、いつウクライナ侵攻が起きてもおかしくないというニュースが続いている。
COVID-19で確認された国内の死者はこの数日、これまでのいかなるピークをも越えて過去最高を更新し続けているのだが、全体として成り行き任せの状況が続いている。さきに規制そのものを撤廃したデンマークもあらためて死者が増加しているわけで、結局は酷薄という印象しかない政策が支持を得ることは難しいだろうと思うのだが、何より新たな変異種はこうした状態から出現することになるだろう。