フロリダにカテゴリー4のハリケーンが上陸して、秒速70メートルに迫ろうかという風と高潮による洪水をもたらしてゆっくりと半島を横断する。半島全域を覆う大きさが確認できる国際宇宙ステーションからの写真はパニック映画でよく見る絵面で、我々が世界の終わりの始まりに立ち会っているのではないかという感慨を再び呼び起こさずにはおかない。おそらく、地球温暖化が気候変動をもたらしていることについて懐疑的なひとが相対的に多いのではないかというフロリダだけれど、この現象はどうしたって気候変動の結果なのである。人間の認知的不協和は、実際の因果をみてなお、それを信じないように機能するものではあるけれど。
そしてノルドストリームで起きているガスの漏出事故は、破壊工作によるものという見方が日を追って強まる。ここから大規模に漏洩したメタンガスは、CO2の80倍の温室効果をもつといわれるが、本日現在でなお大気に放出が続いているようだから、これは気候変動対策における大惨事でもある。遠い因果律の果て、我々は誰もがこの影響を受けるだろう。