円城塔による『ゴジラ S.P』のノベライズが発売されていたので早速、これを買い求めて読み始める。もちろん、この作者のことだから普通の小説ではなかろうと思っていたけれど、量子論的宇宙において、1954年のゴジラがコラージュされる冒頭から盛り上がる。すでに彼方の存在となったコミュニケーションAIナラタケの目線から語られる物語であり、アニメ版の履修必須といえ、必然的に物語世界の厚みはいや増すので、これはよいノベライズ。
FRBは6月に続いて2回連続で0.75%の利上げに踏み切る。ハト派のパウエル議長がインフレファイターと言われたボルガー議長と同じような局面に立たされ、インフレ期待の抑え込みに立ち向かわざるを得ない状況自体は明らかで、戦争がもたらすエネルギー不足と資源インフレ、コロナによる労働力の不足と賃金インフレ、加えて物不足と、リスクは下方にしか存在しない。必然的な利上げは債務危機の萌芽でもあるわけで、世界が早期に正常化に向かうシナリオはもう残されていないのではなかろうか。