『鎌倉殿の13人』の最終回を観る。承久の乱と後鳥羽上皇の隠岐配流を片付けた15分拡大枠の後半、誰が義時を殺すことになるのかという物語の大詰めは、罪の告白と悲劇と呼ぶに相応しいクライマックスを経て着地に至る。数え上げられた死者は義時を入れずに13人、物語に通底していた『Ten Little Indians』の調べは結局のところ、そして誰もいなくなったことを知らせて静かな幕引きとかぶる。
古沢良太脚本の『どうする家康』と、いつの間にか殺伐となった『鎌倉殿』後半との落差が大き過ぎるという心配は、最終回冒頭の家康登場でなんとなく希釈されて来年も楽しみ。そして2022年の筆頭は『鎌倉殿の13人』次いで『エルピス -希望、あるいは災い-』ということになるような気がする。
ワールドカップの決勝に向けてフランスの選手がインフルエンザのような症状の体調不良に苦しんでいるというニュースを聞いた時は、それはCOVID-19というものではないかと冷笑的に捉えていたのだけれど、この日、この症状がMERSなのではないかという話があることを知る。いよいよ『アンナチュラル』の第1話みたいになってきたが、いや、冗談でなく、現地で取材中のスポーツジャーナリストが直近で3人も急死しているとあっては、何かが起きていると考えるべきであろう。じきワールドカップは閉幕するが、既に数十万人が水際対策の緩和された各国に帰っているわけで、それが疫病をもたらすとあればえらい話だ。何しろMERSの致死率は30%を超え、コロナは風邪と言い募る世間に紛れることになるのである。