心不全

昨年9月までの確定値と2023年2月概算をプロットした人口推計のグラフは、この2年で日本の人口が急激に減ったことを示していて、その前の8年の減少の合計より大きな減少幅になっているみたい。推移として明らかに角度が異なる減少段階にあり、出生率の減少よりも、死者数推移に見えるいわゆる超過死亡の増加と整合した結果であろう。このパンデミックの時期、COVID-19が原因とされている死者を大きく上回る死亡の増加により、日本の人口は目に見えて減っているのである。

同じ日、NHKのクローズアップ現代のテーマは「心不全パンデミック」で、心不全患者の増加と長期にわたる加療が急性期病院を圧迫していると報じる。もちろん、心不全は伝染性の病ではないが、これをパンデミックと表現するところに推定原因の所在と現場の実感があるのだろう。オミクロンの症状は軽い、と言いつつ感染者数の増加に比例して死者の絶対数は積み上がり、同時に免疫不全の常態化と血栓の増加が他の病態での患者と死亡を増やし、人口のデータを振り返れば、そこに明らかな相関を見出すことになるだろう。