鎮圧

件の山火事については、朝7時前に鎮圧の連絡放送が流れる。この地では区内放送という設備があって、行政の連絡が拡声器を通じて一帯に流れるようになっている。火災の「鎮圧」という聞き慣れない表現は、鎮火に至る前段階を指すということらしい。それに先立つ早朝、霧ケ峰高原上空を自衛隊のヘリが飛行し、諏訪湖から採取した水を散布する様子を目撃する。火事は山頂付近の草原を焼き払い、しかし建物などの被害はなかったということである。

この日の午後、久しぶりに緊急地震速報が鳴り響き、能登半島を震源とするM6.5の地震が発生する。震度にして6強の揺れは久しくなかったもので、この数年続く能登の地震でも最大のものとなる。見附島では外周の崖が少し崩れたようだが、あの特徴的な地形がこのような地殻変動の結果として形成されたと考えれば妙に得心がいくというものである。付近ではその後もやや小さめの地震が頻発している。