早朝、家を出る時には雪もちらつくぐらいだったのだが、そのタイミングでスマホには市内全域の大雪警報が届いて不吉を知らせる。とはいえ、この段階ではちょっと甘く見たところがあって、午前中は大丈夫という算段をしていたのである。通勤途中の高速は近くの雲が山の峰をかき消して、細かい雪の粒がフロントガラスを叩き、路面は除雪前の雰囲気でやや白くなりつつあったので、会社に着く頃には可能な限り早く帰宅しようという気分になっている。
渡世の事情を済ませて慌ただしく荷物をまとめる午前10時半、中央道はこのところの早期閉鎖の方針に従って、既に通行止めとなっており、もう少し持ち堪えるのではないかと考えていただけにやや狼狽したのだが、路上の雪はまだ10センチ程度だから、国道を踏破してしかし渋滞にハマることはなく家に戻る。その30分後、国道は主要ポイントで通行止めとされたので、非常に幸運だったのである。雪は夜半まで降り続き、久しぶりに30センチ近く積もる。