海外への渡航にあたってはコロナワクチンの接種証明が必要になることがあるのだけれど、マイナンバーカードとパスポート、NFCに対応したiPhoneが手元にあれば電子証明書が取得できるというので、恐る恐るトライしてみたのである。渡世の事情もあって、あの悪評高いマイナンバーカードを作ったのは、既にだいぶ前のことだ。
ココアという前例もあることだし、そもそもまともに動くのか心配はあったのだけれど、その操作には何ひとつ躓くところはなく、何よりアプリそのものは結構しっかりできていたような気がするので、そのこと自体には驚いたのである。接種情報自体はどこぞのサーバーに保存されていて、それなりの高速で検索できるようになっているのだから、個人情報がどのように蓄積され、どこで使われているかわかったものではないとして。
ここではマイナンバーなるものを、それなりに利用できるサービスにすることが可能であるということが示されているとさえ見えるのだけれど、それも保険証を置き換えるだの、口座情報に紐付けるだの、政治が妙なことを言い出すことがなければの話だ。この国でなくとも、政治は容易に専横化するのでそこに足枷を嵌める必要があるのだが、もはや暴虐な意図さえ隠さなくなっている為政者に、利便性と引き換えて渡すことを許せる情報の範囲はそう広くない。