未確認

ニュースのヘッドラインは謎の飛行物体に対する武力行使の記事が並ぶ。それもひとつの事象についての話ではないのである。実に中国までが自国に飛来した物体の撃墜を表明して、しかしその正体が知れたという話を聞かないので、いよいよ宇宙人乗り物であった線も色濃い。ホワイトハウスは記者会見でそれを否定したというニュースまで出ているが、いや、わざわざ否定するのが怪しいという種類の話である。

イルタ・スキャンダル

『イルタ・スキャンダル』の第10話を観る。何だかんだといって、久しぶりにStudio Dragonのドラマを観続けているのである。韓国ドラマにしては珍しく、登場人物がiPhoneを使うこのドラマの射程が世界にあるのは間違いないのだが、題材はドメスティックな教育熱を扱ったものなので、これぞ韓国ドラマという世界観が何だか悪くない。韓ドラのあらゆる作法に則って、ずいぶんと引っ張ってきたロマンスも転換点に来て、次回から最終章突入というところ。剣呑なサイドストーリーが並行しているのだけれど、これまた作法に則った伏線が張られて、しかしその展開はいただけないと思っている。

北米の領空における未確認飛行物体の撃墜は今月4回目とかいうニュースが流れていて、急にどうなっちゃったんだという感じがあるけれど、こうなるとやはり、いわゆるUFOが含まれていてもおかしくないんじゃなかろうか。

地球の果ての温室で

アメリカに続きカナダが、領空を侵犯した未確認飛行物体を撃墜したと発表する。実際には米軍のF22がこれを行なったらしいが、飛来する物体への反応は逡巡なく激烈なものとなり、事態はエスカレートする一方にみえる。いや、これが中国のSIGINT機材でなく、他の星系からの使者だったらどうするつもりなのか。

『地球の果ての温室で』を読み始める。『わたしたちが光の速さで進めないなら』のキム=チョヨプの長編で、ダストと呼ばれる物質がもたらした大厄災のあと、一応の再建を果たした未来の物語。環境に適応し変異を繰り返して繁茂するモスバナと呼ばれる植物と、それを調査することになる主人公というのが導入の設定なのだけれど、この物語が書きすすめられたのは、ロックダウンのさなか、外出もほとんどできない状況にあってということだから、現実にも呼応するところがある。

その事情が日本語版への序文では、ソウルにある作家のためのレジデンスで、窓の外の世界に伝染病が広まっていくというのは、本当に終末後の世界に入り込んだかのような体験だったと語られるのだが、アーティスト・イン・レジデンスで小説が書かれるということ自体にちょっと感心してしまう。もしかしたら本邦にもあることなのかも知れないけれど、こと文筆の助成については韓国に文化と呼ぶべき懐の深さがあるような気がする。

雪掻き

雪は夜のうちにやむ。この地域には雪掻きの割り当てがあるのだが、学校の周りの通路を午前6時から30分ほど除雪して、久しぶりに汗をかく。いわゆる出払いで動員があったのは3年ぶりくらいではなかろうか。このたびは軽い雪質で、難儀というほどのものではなく。

政治がとても国益に資するとは思えないことを、ほとんど根拠もなく行おうとする事例には事欠かないが、パンデミック下での脱マスクの動きは不可解で非人道的ですらあると憤慨している。同じ日、地震で大きな被害を受けているシリアが、レバノンの救助隊を国境で追い返した話を聞く。権力の道理からの逸脱は、こうした振る舞いと地続きにあって、苦しむのはいつも市井の人である。

降雪

早朝、家を出る時には雪もちらつくぐらいだったのだが、そのタイミングでスマホには市内全域の大雪警報が届いて不吉を知らせる。とはいえ、この段階ではちょっと甘く見たところがあって、午前中は大丈夫という算段をしていたのである。通勤途中の高速は近くの雲が山の峰をかき消して、細かい雪の粒がフロントガラスを叩き、路面は除雪前の雰囲気でやや白くなりつつあったので、会社に着く頃には可能な限り早く帰宅しようという気分になっている。

渡世の事情を済ませて慌ただしく荷物をまとめる午前10時半、中央道はこのところの早期閉鎖の方針に従って、既に通行止めとなっており、もう少し持ち堪えるのではないかと考えていただけにやや狼狽したのだが、路上の雪はまだ10センチ程度だから、国道を踏破してしかし渋滞にハマることはなく家に戻る。その30分後、国道は主要ポイントで通行止めとされたので、非常に幸運だったのである。雪は夜半まで降り続き、久しぶりに30センチ近く積もる。

警報

翌る日には警報級の大雪が降る可能性があるという注意が発せられる。この日はたまたま、できればリモート参加ではない方がいい打ち合わせがあって、ちょっと迷いが残っているのだけれど、夜の冷え込みは降れば確実に雪だろうことを、あらかじめ知らせる。渡世の事情はかくも悩ましい。一方で、あらかじめ全員が在宅勤務とした職場もあって、パンデミックの経験はやはり大きく仕事のあり方を変えたと思う。おそらく10年を先取りした変化をもたらしたのである。

大地震

トルコで起きた地震では、異なる断層を震源とする揺れが連動したことで、非常に広範囲に被害が出ているという。マグニチュード7.5クラスとはいえ、震度は7に相当する揺れだと聞けば、倒壊した建物が多いのもただ耐震基準を満たさない古い建物が多かったという話だけでもないのである。アナトリアとアラビアのプレートが接する境界での地震というのは、もちろんさらに複雑な地質状況に置かれた日本にとって対岸の火事というわけではない。それにしても、人の生活史とは異なるスパンで大地震が起きているとして、その記憶と教訓が継承されるのはせいぜい3世代という話には説得力がある。

ObsidianにCanvas機能が実装されたということなので、これを使ってみる。モバイルアプリの方では、まだ使えないようだけれど、コンセプトとしてはHeptabaseに近いもので、ノートアプリ界隈の仁義なき戦いの熾烈さには感じ入る。確か、Logseqにも同様の機能が用意されるという話だから、ここに切り込んでいくのも大変なことなのである。