南海トラフ巨大地震

NHKスペシャルのドラマ『南海トラフ巨大地震』の前半を観る。来るべき大地震を題材にしたシミュレーションドラマ。地震の到来まで、やけに辛気臭いドラマが続いて視聴者を振り落としていくスタイルで、役者は揃っているけれど紋切り型の設定であるのは、いかにもNHKスペシャルという感じ。『青天を衝け』に出ていた仁村紗和が出演している。そしてNHKはなぜ東大阪のバネ工場をたびたび舞台とするのか。

NHKはこのタイミングで「半割れ」という想定をキーワードとしていこうという様子だけれど、南海地震と東南海地震の連動を啓蒙するためには、なかなかいいアイディアだと思う。宝永地震のような「全割れ」のシナリオでは、時間差による減災のシナリオなど成り立たないからには。ドラマにおいては、本震の発生から四国太平洋岸への津波の到来にそれなりの時間的な猶予があるように描かれていたが、ここにも逃げるだけ無駄という筋書きにするわけにいかない事情が透ける。「最悪のシナリオにどう備えるか」というトーク番組も控えているようだけれど、最悪にもかなりの幅があると思うのである。