BiSHの活動も6月をもって終了となり、メンバーの事務所の移籍や独立を含む今後の動静が伝えられる。その方向はそれぞれが実に「らしい」選択をしたものだと思わせるもので、だからこそ、決して戻ることのない一回性をしみじみ感じる。このステージが再演されることは二度とないであろう。
Month: June 2023
逼迫
何しろ、社会がその実相を見ないことを決めたからには現在の状況がどうなっているかも部分的な情報をつなぎ合わせて推察するしかないのだが、沖縄の医療リソースは深刻な状況にあって病院への受け入れも停止が検討されていると聞く。第9波が始まっているだろうという見方は、ほぼ事実だろうと思われる時間帯にある。そしてRSウイルスなどの、他の感染症の広がりが、これに拍車をかけているということだが、先行した他国の事例を引き写したような状況で、ほとんどあらかじめ予想された状況にある。平均寿命の統計も影響を受けることになるだろう。
なぜ、他の感染症まで流行することになるのかという機序については、確定的なことはわかっておらず、パンデミックにより予防面で温室化した状況では、かえって免疫の獲得機会が低減していたことの反動だという説明がされることが多いようだけれど、かねて今ひとつ腑に落ちない説明だと思っている。
水無月
梅雨はまだ明けないし、日中は時おり雨も降るのだけれど、気温は30度を超えようかという感じで雰囲気は夏。エルニーニョが発生しようが、冷夏の予想はなくて、今日も線状降水帯が局地的に大雨を降らせる。7月を前に、もう夏が来たような感じの本日現在。
電子化
海外への渡航にあたってはコロナワクチンの接種証明が必要になることがあるのだけれど、マイナンバーカードとパスポート、NFCに対応したiPhoneが手元にあれば電子証明書が取得できるというので、恐る恐るトライしてみたのである。渡世の事情もあって、あの悪評高いマイナンバーカードを作ったのは、既にだいぶ前のことだ。
ココアという前例もあることだし、そもそもまともに動くのか心配はあったのだけれど、その操作には何ひとつ躓くところはなく、何よりアプリそのものは結構しっかりできていたような気がするので、そのこと自体には驚いたのである。接種情報自体はどこぞのサーバーに保存されていて、それなりの高速で検索できるようになっているのだから、個人情報がどのように蓄積され、どこで使われているかわかったものではないとして。
ここではマイナンバーなるものを、それなりに利用できるサービスにすることが可能であるということが示されているとさえ見えるのだけれど、それも保険証を置き換えるだの、口座情報に紐付けるだの、政治が妙なことを言い出すことがなければの話だ。この国でなくとも、政治は容易に専横化するのでそこに足枷を嵌める必要があるのだが、もはや暴虐な意図さえ隠さなくなっている為政者に、利便性と引き換えて渡すことを許せる情報の範囲はそう広くない。
多死社会
日本で去年1年間に死亡した人は156万人を超えとなり、統計を取り始めてから最高を記録したそうである。NHKのニュースは、高齢化によってこの先に見通される死亡者数の高止まりを指摘して、特に都市部での火葬の能力の不足にまで言及する。2040年に年間167万人の死者を予測のピークとしてその後もしばらくは同じ水準の同胞を見送る「キャパ」が必要だというのである。
それ自体は人口動態の必然から予測することができる結論ではあるのだが、2022年に前年比で9%増加した水準の異様さに何ひとつ言及がないまま、過去のトレンドを踏まえた推計をもとに賢しく結論するのがこの頃のNHKで、COVID-19の感染拡大を背景とした超過死亡の高止まりが続くのであれば、年間死者は予測を17年先取りして、今年にも170万人を超えるというのが対前年+9%の意味合いではないのか。これを見て見ぬふりのマスメディアであれば、いかなる不正義に対しても同じことができるに違いない。
ライダーズ・オブ・ジャスティス
『ライダーズ・オブ・ジャスティス』を観る。マッツ=ミケルセンが故郷デンマークで主演した映画。列車事故で妻を亡くした軍人が、それがギャングの仕業であると吹き込まれて復讐を開始する。鬼の如きマッツ=ミケルセンを主人公として、その実、偶然が支配するどうにもならない人生の網目をよろけつつすすんでいく男でしかないというのがヨーロッパ映画らしいところで、錯綜した成り行きは、ただ神の目だけが見通しているというつくり。
この日、ロシアの武装蜂起はベラルーシの仲介によってプリゴジンが離脱し、どうやら収束に向かう。反乱と断じたプーチンが、振り上げた拳を収めたかたちで、混乱したパワーバランスが安定化するまでには時間がかかるのではなかろうか。
そしてこの件について本邦での報じ方が、昼寝でもしているのかというほどにナマクラであることが話題となっていて、ロシアの騒動に忖度もないだろうから、結局のところ報道機関の実力が「その程度」となっていることを私たちは心配しなければならない。
悪鬼
『悪鬼』を観る。例によって韓国ドラマで、パラノーマルな題材を扱って不穏な雰囲気のあるスリラーだけれど、キム=テリが主演というところが重要。『シークレット・インベージョン』と『生まれ変わってもよろしく』に加えて本作と、現在進行形で追わなければいけないドラマのリストが急に充実してきたけれど、もちろん贅沢な悩みというものである。何しろキム=テリ主演のドラマを週を追って観ることができるというのだ。
この日、ロシアでワグネルが武装蜂起を宣言し、南部の要衝ロストフナドヌーではウクライナの戦争を指揮する軍司令部を制圧したらしいことが伝えられる。ウクライナ戦の兵站はその混乱のただなかにあるということになるけれど、この事態が何をもたらすのかを現時点で見通すことはできない。