違国日記

そういえば『違国日記』が実写化され、高代槙生を新垣結衣が演じるというニュースが少し前にあったのである。なるほど、そのキャスティングはあり、という納得があって、今この時、多様性がある意味では危機にある時代に、この役回りを希望したのは本人に違いないという気さえするので、ファンとしては楽しみにするばかりである。重要なのはたぶん脚本で、野木亜紀子の仕事であれば申し分ないのだが。

とはいえ、我々のような境地にあると、もう当人の幸福をひたすら願うばかりで、だいたい、レプロのフルマネジメントだった頃より断然、いい仕事が増えているではないか。その点において星野源に感謝するもやぶさかではないのである。

大統合

RebuildでWWDCの振り返りを聴いている。それはともかく、改めて考えるとMacBook Airの15インチはおまけのようなもので、このタイミングで発表されたのは単に設計リソースか製造上の都合ということであろう。iOSからiPad OSを分離して、ウィジェットなどの機能の実装は後者がやや後追いすることになったが、結果として個別の品質は上がっているように見えるのと同じく、アップルのプロジェクトマネジメントは集中するポイントを自ら設定する境地にあってブレない。これが勝者の余裕というものであろう。

そしてVision Proを考えると、このところ進められてきたインターフェースの近代化は、このデバイスの全く新しいUIにとっても不可欠だったのだろうという気がして興味深い。前述のウィジェットも、何度も提案されてはそれほど使われない機能に違いないのだが、今回はvisionOSの視野に浮遊して機能することとなり、体験や有用性もちょっと変わってくるのではなかろうか。我々はこれまでより一段大きな枠組みで、その統合的な構想の実際を確認することになる。

荒涼

荒れるのがTwitterの流儀であるというのは自明だとしても、このところの雰囲気はそれを我慢して眺めるという感じでもなくなってきていて、自然と利用時間は減っている。ブックマークを削除してしまえば、敢えて使うようなものでもないというのはFaceBookと同じで、このサービスも15年程度の命数であったかという気になっている。

大文字

フィリピンのルソン島南部にあるマヨン火山は標高2,400メートルを超え、一帯がマヨン山国立公園に指定されている大きな山だけれど、11日夜から溶岩流が噴出し、今後の大規模噴火も心配されているという。もともと綺麗な三角錐の山なので、激しい爆発を伴わない噴火というのはプロファイルに合致するという印象だが、19世紀には近隣の町が埋没したこともあるという。

この噴火の推移を見通すことはできないが、大規模な溶岩流が美しい円錐の斜面を流れる夜景の写真を見るに、大文字焼きというのはこうした火山活動を模した追悼儀式なのではないかという意見には深く頷く。その遠景の類似は明らかで何故、大の字なのかという問いにこれほど鮮やかに答える仮説はないのではなかろうか。八岐大蛇が溶岩の流れを示すという寺田寅彦の解釈にも通じる話だと思うのである。

湿度

朝から雨模様。日本の南方を通過する台風3号は梅雨前線を刺激して四国から中部に至る降水帯を形成する。この日、かねての計画通り、富士の麓にある霊園を訪ね、久しぶりの墓参りをする。演習場の砲声は例によって低く立ち込めた雲に反射して時おり響く。火山性の組成による当地の赤土が所々こびりつく汚れとなっているのを洗い流して気がかりを片付け、いつもの中華菜館で食事。平日の東名高速は交通量はあってもよく流れる。

梅雨どきの関東というのも、最近はあまり機会がなかったので湿度の高さに、あらためて驚いている。普段、標高の高いところに住んでいるのとは空気の質がだいぶ異なり、何しろ湿度の表示は92%を指している。いやはや。

設楽原の戦い

朝、雨模様の中央道を横浜へ。日曜日の朝方は交通量も少なくて快適な道ゆきだけれど、雨は時折、強く降る。

このところ大いに調子を上げている『どうする家康』は長篠設楽原の戦い。家康は信長の臣下となって、信康と築山殿の周辺はにわかに不穏な雰囲気が立ち込める。瀬名をこのように描いてきたこの大河ドラマが、どのように築山殿殺害の顛末を描くのかは大いに関心のあるところであったけれど、何となくその道筋が見え始め、思いのほか正面からこれを扱うらしいので感心している。その顛末を描いて、6月を過ぎるといよいよ物語も折り返し。このリズムで過ぎる1年のなんと速いことよ。

app

NotionはずっとChromeで使っていたのだけれど、ブラウザだとCtrl+nで新しいページを作成することが出来ないのでデスクトップアプリを導入してみる。そうは言っても、ほとんどWebアプリの印象だけれど、タブとショートカットキーがあるだけでも体験はちょっと違うみたい。悪くない。

このサービスは引き続き進化を続けていて、最近はプロジェクトとタスクの機能が強化されてAsanaの向こうを張ろうという気概を感じるけれど、今ひとつかと思っていたNotion AIも急にクオリティが上がってきた印象があり、もしかしたらモデルがGPT-4ベースになったのかもしれないと思ったり。知らんけど。