ホープは突然現れる

クレア=ノースの『ホープは突然現れる』を読み始める。クレア=ノースの小説が好きなのだけれど最近、『ハリー・オーガスト、15回目の人生』を思い出すまで、未読であったことを忘れていたのである。あかんね。キャサリン=ウェブがクレア=ノースの筆名で書き邦訳された三作は、いずれも異能を自らに引き受けて生きる主人公を描いているけれど、同じ構造を使って紡ぎ出される物語の芳醇なことときたら。

前線が秋田付近に大雨を降らせる一方で、ひときわ厳しい暑さが続く。この日に続いて明日も39度を上回る気温が予想されているけれど、これが40度を上回るのも時間の問題である。

Velja

久しぶりにMacの環境を初期化して最小環境で運用している。これを始めるとWebサービスの他に必要なのはブラウザとエディタぐらいじゃないかという気がするくらいクラウドは浸透していて、実は吊るしのMacBook Airでも大丈夫なんだろうという気がする。いつものことながら。

こうなると基本的にはSafariをメインで使いたいところだが、Chromeも入れざるを得ないというところはあって、その使い分けには頭を悩ますことになる。これまでのブラウザセレクターはどれもイマイチだったけれど、最近導入したVeljaはかなり質の高い出来栄えで便利に使っている。ドメインによってあらかじめルールを設定し、RaycastからChromeのブックマークを参照して起動すると自然と使い分けができて面倒がない。ありがたいことである。

大雨

この日、秋田を中心に降り続いた雨で河川の氾濫が相次ぎ、上流のダムでは緊急放流も実施される事態となる。多くの観測点でこれまでの記録を更新した雨量は半日で1ヶ月分を上回るものとなり、レベル5の警報が繰り返し発出される。世界の平均的な気温が観測史上の最高を記録し続けるこの夏、気候変動の影響は目に見える変化として現れるようになってきた。この傾向はほとんど不可逆的なものとして続いて行く。こうした状況はこれまでも幾度となく書いてきたけれど、事態の進行につれ、より過酷な現実として。

この国の政治は、災害において姿を見せず何もしないことを学習して、報道もそれを指摘せず、見殺しの一方で収奪を強化する。その劣化もこの10年のものだが、こちらはまだ不可逆のものではないはずである。

変化

久しぶりに松本の街まで出たので、丸善に立ち寄って近刊の様子をみる。もしかしたらコロナぶりという感じなのだが、街中の様子はそれほど変わった印象もなく、めぼしい書店がひとつずつ別の店に変わっていくというのも、まぁ、以前からの傾向なのである。最後の砦という趣の丸善だが、その退潮は店内の雰囲気に滲んでいると思えなくもない。本がみっしりと存在しているという空気がなく、何となく他の商材に侵食されていると感じてしまうのはどうしたことか。いや、この店頭を支えていない自覚はあるので、言えた義理ではないのだけれど。

これまた久しぶりにワインを数本空けるコース料理の飲み会。謝恩会と称する送別会なのだが、何もかもが美味い。

ハイジャック

『ハイジャック』のエピソード4を観る。ドバイからイギリスへ向かう飛行機のハイジャックを題材にした連続ドラマが、ほとんどリアルタイムに進行するのが趣向なのだが、ここにきてやや中弛みという気がしなくもない。イドリス=エルバが凄腕の交渉人という設定だけれど、玄人過ぎて派手なところがまるでないのである。いや、悪くないけど。

マイナカードの枚数が過大計上だったというニュースが出ていて、この愚策をめぐる文字通りの政治力学に変化が起きているのかもしれない様子だけれど、話自体はまたも繰り返された国家による嘘の露呈であり、つくづくこの国の劣化は止まるところを知らぬ。

増加

今週のコロナ定点観測は先週比で1.8倍の増加となり、倍加速度は指数関数的増加を示す段階にきている。当地のNHKローカルは相変わらずヘルパンギーナの感染増加を伝えるのだが、主たる問題はCOVID-19なのである。そして薬が足りなくなっているというニュースが、その背景をぼかしたまま伝えられる傾向も同じ話で、汝、その名を口にする勿れという呪いがかけられたみたいにして茶番は演じられ続けている。

WMOは7月の初めの週が観測史上、最も暑い1週間であったことを発表する。人類は未知の状態にあるという認識はその通りで、大気中の水蒸気の増加とともに、世界各地で豪雨が記録される。列島では九州から日本海側を覆う線状降水帯が、これまでにないような水害の被害をもたらす。ニューヨークでは降り続ける雨が濁流となって街を水没させているという。例によって1000年に一度というように伝えられるけれど、その確率は事後的に上昇することになる。

のるかそるか

視聴ランキング的には微妙なところを行ったり来たりという感じで、世間的に人気があるのかは知らないけれど、『生まれ変わってもよろしく』を引き続き観ている。実際、画面のレイアウトは決まり、撮影は美しく、音楽も趣味がいいのだけれど、よくよく考えると美男美女が見つめ合っているという風の展開がひたすら続くし、典型的韓ドラ要素がぎっしりと詰め込まれ、STUDIO DRAGON的記号が満載という内容なので、人様にはお勧めできない。ただ、格好いいシン=ヘソンに心酔する週2時間。このドラマは何故か12回の編成なのだけれど、まぁ、それくらいがちょうどいいのかも知れない。