デマ

9月1日を前に官房長官が関東大震災における朝鮮人虐殺の記録が政府にないと言ったことが伝えられる。典型的な歴史修正の言葉であり。事実としてもデタラメの発言だが、これが咎められることがないというのが本邦の政府である。ALPS処理汚染水をめぐって反中国感情を増長させることに加担しているメディアがそれを先導する。事実をもってこの虚言を粉砕できないのであれば、ジャーナリズムの存在意義とは何なのか。そうした気概はもとからないということであれば、いや、そうかもしれないという感想はあるとして。

この日、Heptabaseがついにバージョン1.0となってサービスとしてのステージをひとつ上がる。頻度の高い更新によって、なかなか使い勝手の良いツールになっていて、ちょっと応援している。

猛暑だったヨーロッパも、夏の終わりには地中海の高水温の影響で各地で嵐となり豪雨と洪水、乱気流が発生しているという。中国では洪水のほか、雹の被害も発生しているようである。フロリダのハリケーンは平常運転だとしても、気候変動によって想定されたあらゆる影響が現出していることには言葉もない。今世紀の世紀末は、人類の黄昏という意味での世紀末となるに違いない。

『ウソ婚』を観る。もう何作目かというほどに作られている偽装結婚ものだけれど、菊池風磨がクールに見えてガキっぽい主人公、長濱ねるがふんわりしたヒロインという素直なキャスティングが悪くない。1話20分ちょっとの尺もちょうどいい感じ。

3月のライオン

『3月のライオン』の17巻を読む。発売日に紙の本を買って読む漫画というのは既にこれだけとなっていて、何となれば1巻を買った頃は電子書籍が今日ほど普及していなかったのだと思うのである。時代は流れ、現実の棋界にはフィクションを上回る天才ぶりで君臨する棋士がいるわけだけれど、安定の世界観で安心して読める。この雰囲気なら限りなく物語を編むことができそうである。

あとがきでは不思議な縁によって新たに飼うこととなったネコの話が描かれていて、いや、縁というのは、そういうものであろう。

日本の南方では台風11号が発生して沖縄近海を目指す。今年は29個の台風が発生するという話もあるから、道半ばどころではない。

荒野に立つ

のん(能年玲奈)の自伝的な歌詞だというので『荒野に立つ』のMVを観て、なるほどこの10年を総括するような楽曲と、自らメガホンをとったミュージックビデオのいろいろに感じ入り、演じることも歌うこともやめなかったこのアーティストの仕事に改めて敬意を抱く。

『あまちゃん』の再放送であらためてそのストーリーとの二重性が認識されているだろうけれど、2010年代の悪戦苦闘を予言するような話だと思うのである。もちろん、フトマキは収奪的なあらゆる構造の象徴として。

科学的

ALPS処理をした汚染水の海洋放出が始まり、中国が言いがかりをつけていると言わんばかりのNHKニュースが連日、続いているけれど、道理から外れているのは本邦であれば、斜陽の国はいよいよ傾いていくだろう。何より、政府広報と化した公共放送が、あらゆる倫理を腐敗させることになる。さきの戦争に向かう景色も、これに近かったのではあるまいか。

東京リベンジャーズ

『東京リベンジャーズ』を観る。2021年の実写映画。この物語の名前はよく聞くけれど、どんな話かは全く知らなかったのである。いや本当に。時間ものだったので、ちょっとびっくりしている。とはいえ、パラドックスに悩む感じじゃないし、漫画原作らしいキャラクターの個性を楽しむ『アベンジャーズ』みたいな映画という印象。そういえば、タイトルも似ているではないか。すでに実写版の続編も公開されているらしいけれど、単独でも収まりのいい結末が用意されている。眞栄田郷敦が出ているのは、ちょっとうれしい。

大蟻食の亭主、佐藤哲也氏の訃報を聞く。小説も読んだが、ブログのスタイルと映画については大き過ぎる影響を受けたと思う。この下りの船の道のりにあって。

金曜日

渡世の事情で飲み会。推察するに、コロナの感染拡大は第8波を越える規模になったのだろうし、それがピークをつけたのかもよくわからない状況ではあるけれど、今の社会の流儀であれば、避けられない飲み会というのもあるわけだ。幾度となく感染する可能性があり、その度に免疫系の不具合が蓄積されていくであろう。とはいえ、ビールとワイン。中央本線は事故の影響で大幅にダイヤが乱れ、深夜帰宅。