65

フィリピンからの帰り便で『65 / シックスティ・ファイブ』を観る。アダム=ドライバーが主演のSF映画。宇宙を航行中の探査船が隕石帯に遭遇して惑星に不時着する。生き残った操縦士と少女が、救命艇に向かう道行きで原生動物の襲撃を受けて苦闘する。アダム=ドライバーが今さら出演するには陳腐な話ではないかという気がしたのだけれど、予想通りに今ひとつな感じで、どうしたことか。この惑星が実は地球でしたという趣向かとも思ったのだが、あらゆる方法でそのネタは割られているので、どうもそんな感じではないのである。

成田空港は夏休みの混雑で、道路はお盆の混み方。20時過ぎに帰宅。

クローラー

昨日あたりから、インターネット辺境の地のこのサイトへのbotアクセスがすごいことになっていて、どうやらクローラーが動作しているようなのだけれど、どこの誰だか知らないが、あらゆるWebページを漁ろうという強い意志を感じる。だがしかし、ここに情報はないのだ。

Eris

EG.5.1というのが特に感染拡大の心配されている新たな変異株だということも最近知ったのだけれど、これには最大質量惑星と同じエリスというニックネームが付けられているそうで不穏な感じは高まる。先週末からクラスターと言っていい状態で発症、感染確認の事例が身近でも続いていて、国外にいるというのにその余波を感じている。抗原検査キットで次々確認できるというレベルにあるようで、どこか潮目が変わってきているのではなかろうか。WHOはこの変異株を監視下に置く。

国立科学博物館は標本の収集保管のコスト高騰を原因として1億円のクラウドファンディングを実施することになったという。そのニュースに反応して数億の資金が瞬く間に集まったということだが、カハクでこれなら他の施設がどうなっているかは想像に難くなく、今や収奪国家となった日本の実相がここでも露呈されているというわけである。有象無象の愛国者や保守を標榜する政党そのものが、単に公金に群がる輩だということもよくわかる。

マニラ

マニラに滞在するのは初めてだけれど、どこか若い国だという雰囲気はあって、いうまでもなく本邦とはだいぶ異なる。それはひょっとすると人口構成という基本的な部分と、収奪的な性質を持つ中央と地方の政府や地縁的共同体の構造や、教育の質といったベーシックな部分に由来してこの国を特徴づけている。初めての土地で歴史と制度を考えてみるのは面白いものである。

この前日、フライトは台風6号の直上を通過して、やや荒い飛行を20分程度、体験したけれど、九州の西方を上陸しないまま北上して朝鮮半島に至る進路が予想されていて、これは勢力を減殺しない嫌なコースということではないだろうか。自然は年々、容赦のなさを増している様子だが、それは大方、人類が招いたことでもある。

わたしの幸せな結婚

広島原爆の日。羽田空港に設置されたNHK World Newsのモニターの中継で式典の様子を見る。往時の小中学生を思わせる少年少女に述べさせる誓いの言葉が、あとに登場する首相のせいで、やけに演出の強いものと感じられてしまう令和日本。

『わたしの幸せな結婚』を観る。機内映画でいちばん上にあったやつ、という非常にいい加減な理由で見始めたのだが、大正ロマンスかと思えば『帝都物語』みたいな雰囲気もあるし、塚原あゆ子が監督というのでつい見入ってしまう。なろう系の小説を原作としていて、これもアニメと同時期に公開されているらしいのだけれど、こうしたメディアミックスはよほど効果があるのだろうか。『ゾン100』と違って、こちらは込み入った設定があるので映画の尺ではだいぶ急いでいる印象があるけれど、雰囲気自体は悪くなくて、よくわからなくてもめでたしめでたしという感じ。基本的には意地悪な継母と悪役令嬢が出てくるシンデレラストーリーそのものなので、難しいことは言いっこなしなのである。

ゾン100

Netflixで配信の始まった実写版の『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと』を観る。アニメと同時期の配信という趣向はたまにあるけれど、2時間ちょっとの尺に合わせ端的にストーリーが圧縮されたこのバージョンはテンポがいいし、最後はサメ映画に転化する話も案外、悪くない。脚本はよくできていると思うのである。『アイアムアヒーロー』と同じレベルで実装されているゾンビの造形も十分、合格点。ひょっとしたら同じ世界線にあるのではないかと思わせるくらい似ているのだけれど、そういえばあちらはわざわざZQNと呼んでいたはずである。

予算は潤沢であることが窺えるのは、さすがNetflixという感じだけれど、お金を掛ければ国内の制作でもそこそこいけることを示してくれている。あたり前のこととはいえ。

サブスク

個人的な事情では、最近はドル建てのサブスクも増えて円安の影響を受けているのだけれど、ビックテックの国内サービスも淡々と値上げを繰り返していて、この度はYouTube Premiumも価格改定だそうである。実はファミリープランなので、今回の値上げ対象とはなっていないのだけれど、今さら広告付きの動画配信を見られるはずもないので、完全にロックインされているのである。

『ハイジャック』の最終話を観る。微妙に引っ張った感じはあるけれど、ロンドン上空のサスペンスはなかなかのもので、いや、そういえば週末に飛行機に乗る予定があるので慄然としている。あわわ。