90秒

世界終末時計は10秒分、終局に近づいて残り90秒となる。これまでとは桁が違うということで、質的変化を表現しようということだと思うのだが、次に10秒を切るまでのアポカリプス的事象には事欠かない気がするから、90秒としたことにはある種の願望が込められているに違いない。破局へのカウントダウンは加速度的に速くなるものだろうが、Doomsday Clockは終末に近づくにつれ、時間が引き延ばされる性質をもっているとみえるのである。その気持ちはわかる。

記録的な低温となったこの日、一週間前に予告されたこの地での-16度は予言的に成就する。この極端な変化があらかじめ見通せるということに感心したのだけれど、科学的な手法に基づくモデルは大きな構造であれば、かなりの精度を出すことができるまでになっているということだろう。

同じ日、日本の少子化についての予測は7年前倒しで現実が先行しているというニュースがあって、いや日本ばかりでなく、人類が自らのことを見通すことができることは、ついにないに違いない。

この日、ドイツとヨーロッパからはレオパルト2、アメリカからエイブラムスがウクライナに供与されることが決まって、情勢は激化の方向に進展する。