この日の深夜、噂されていたMacBook ProとMac miniのM2ベースのチップへのマイナーアップデートが発表される。仕様上はMac miniにM2 Proのラインが追加されたことが大きな変化というくらいで、ほぼ並行移動という印象の発表で、価格としてもMac miniのスタートが100ドル引き下げられて599ドルとなっている。隙間を漏れなく埋めていくという点で非常に整然としたものである。
しかし日本の市場向けの為替レートは税込でざっくり140円の水準で、否応なく購買力の低下を実感させられる。アップルは為替の対応をかなり機械的に行なっている様子だから、淡々としたものだけれど世知辛いものである。メインストリームがこの調子だと、信者の多い日本であってもさすがに売れ行きに影響が出るのではなかろうか。このじわじわとした余裕の干上がり方こそ、国が貧しくなっていくさまの実相であろう。