3メートル

北陸電力は相変わらず迷走している。今月1日の地震と津波について、当初は水位の上昇は観測されなかったとしていたのを結局のところ1メートルから3メートルの津波が来ていたと訂正して、相変わらずモニタリングポストに異常は見られないという。そのモニタリングポストも多くが測定不能になっているのだから、このような組織に原発の再稼働を委ねることはできないと誰しも考えるのではないか。福島第一原発の発電設備は、アメリカ中西部の原発で竜巻対策として地下に設置したものを見ようみまねで、本質的な意味も考えずに地下に設置し結果、津波にさらわれることになったというが、このノリの組織であれば、それに近い思考停止を再現しても不思議はないと思うのである。

侵入者たちの晩餐

『侵入者たちの晩餐』を観る。『ブラッシュアップライフ』が面白かっったので、バカリズム脚本ドラマが最近の贔屓なのである。新春ドラマの触れ込みで1月3日にオンエアされたらしいのだが、すかさずNETFLIXに配信が来ていて、こちらで視聴。あまり込み入ったところのないシチュエーションコメディで、菊地凛子のコメディエンヌぶりが悪くない。新年早々、気楽に観るにはいい作品なのではなかろうか。

この日、ユーラシアグループによる2024年の十代リスクが発表される。今年のNo.1は圧倒的に米国の分断で、選挙にかけておそろしく醜い現実がまたも展開されることになる。そしてどう転んでも、明るい展望は描けないというのが蓋然性の高い未来ということになるだろう。

マディのおしごと

『マディのおしごと』を観る。ジェニファー=ローレンスが、金持ちの親の依頼で内気な息子を誘惑するバイトに手を染めるコメディ。父親役のマシュー=ブロデックがいい感じのおじさんになっていて驚く。臆病で奥手な若い男を振り回し、振り回されるジェニファー=ローレンスが楽しそうで実にいい。もともと彼女のファンである。しかし、この種のジャンル映画に出演しようとは。ジェニワー=ローレンスが全裸でジャーマン・スープレックスを決める映画など、オファーを受けるほうもかなりどうかしていると思うのである。面白い。人生に迷っていた人たちがロードトリップに出る前のあれこれ、という物語構造も悪くない。

光る君へ

今年の大河ドラマ『光る君へ』の第1回を観る。主人公の幼少期に始まるオーソドックスな初回ではあるけれど、何しろ史実の定まらない10世紀の話であるからには、脚本家の想像力で起伏のあるドラマが編まれていて楽しい。CGに最適化された現実的な演出計画は妙に小綺麗だとして、平安絵巻であるからにはいっそよく出来ていると思うのである。楽しみ。

北陸電力は発電所構内のモニタリングポストの数値が降雨の影響で若干高くなっているという説明のポストをした直後に、発電所に設置しているモニタリングポストの数値に変化はないというプレスリリースを発表する。早めに発電所構内の様子を開示するというのが筋ではなかろうか。

モナーク

『モナーク』はシーズンファイナル手前の第9話で、これまで無理のある設定だとしか認識されていなかったカート=ラッセルの若さの秘密が明かされる。なるほど、という感じに緩く納得したのだけれど、年齢についてはかなりの無理がまかり通るハリウッドのことだから、まさか辻褄を合わせにくるとは思っていなかったのである。ゴジラである必要がほとんどない地下世界ものとなっているような気がしなくもないけれど、そうきたかという感じ。

北陸電力は会見で、外部電源用の変圧器から漏れ出した油が当初の見積もりの3,500リットルから大きく増加して1万リットルを超えるという訂正を行う。なにしろ、すべてがこんな感じなので、放射能の管理が同様であっても不思議はない。この先、冷却についても障害が出るに違いないが、問題ないと強弁することになるだろう。

締め切り

新年早々、久しぶりに締め切りのある文章を書いている。もちろん、締め切りがなければ完成しない仕事というのはあるのだから今、呻吟するほかないのである。

能登半島の地震はようやくその無惨な被害の状況が詳らかになってきている。志賀原発の被害の報告は二転三転して、そのこと自体が非常事態への対応能力を疑わせる状況となっているけれど、この津波の惨状を踏まえれば甚大な被害があったということだろう。地盤に生じた35センチの段差を指して、安全には影響がないという説明には驚く。いったい、何を繕おうとしているのか。

真田丸

どういう経緯か知らないが、NHKオンデマンドで『真田丸』の配信が開始されたので、これを観る。2016年以来、久しぶりにそういえばこんな場面があったという感じにひどく懐かしい。遁走から始まり終わる第1話もいいけれど、贅沢なセットアップとなる第2話は、小芝居も多くて格別に面白い展開となる。いやそれにしても、これまでお蔵入りとは。