ローラン=ビネの『HHhH』を読んでいる。
この風変わりなタイトルはHimmlers Hirn hei’t Heydrich「ヒムラーの頭脳はハイドリッヒと呼ばれる」から来ている、正直言って、この部分だけでもシビれてしまうのだが、1942年にチェコ亡命政府によって企てられたラインハルト=ハインリッヒの暗殺計画という題材もさることながら、ノンフィクションと想像力の間でこの出来事を出来るだけ誠実に描いていこうという作者の試みは新鮮な読み物としての面白さに結実していて、個人的には『WWZ』以来の文学的興奮を味わっている。すごい。