『ジャンゴ 繋がれざる者』を観る。クエンティン=タランティーノによるウェスタンで、165分の長尺だけれど、タランティーノ一流の意味なしやり取りも込みの長さで、展開に遅滞があるわけではなく、無情な命のやり取りは絶え間なく、ストーリーにはネタが詰め込まれていることもあって長さは感じない。ウェスタンとはいっても舞台の中心はミシシッピで、奴隷制の最も酷いあたりを話はかすめる。
レオナルド=ディカプリオとサミュエル=L・ジャクソンの怪演もすばらしいのだが、アカデミーをとったクリストフ=ヴァルツはやたらとかっこよく、話をぐいぐい引っ張って、ジェイミー=フォックスよりも存在感がある。これと『リンカーン』が同年のアカデミー賞をとっているのは気の利いた組み合わせというものであろう。