地上最後の刑事

ポケミスの近刊をAmazonの予約で買い求め、いそいそと読み始める。最近のポケミスはかなり打率が高いとは言っても、予約までするというのは珍しくて、それというのも半年後に小惑星が衝突して人類は滅ぶという状況下で自殺にも見える事件を捜査する刑事という『終末のフール』的プロットに強く惹かれたからに他ならない。『地上最後の刑事』というそのタイトルも、改めて眺めると終末感が漂っていて悪くない。冒頭、既に日常から逸脱しつつある世界と界隈の様子が積み重ねられていく感じは滅亡系のマニアにはたまらない風情で、その行方を確認する作業にちょっとどきどきしながらページは進む。新米の刑事が、恐らくは本物の刑事になるというのが縦軸のストーリーではあるのだけれど、何しろ世界が滅ぶというほどの横軸の無常感は滅多にあるもんじゃない。