『さんかく』を観る。田畑智子と同棲している設定の高岡蒼甫が遊びに来たAKBの小娘に翻弄されるという冒頭の設定だけでは、よくある緩い邦画の一形態かと思えるのだけれど、話は意外な方向に転がって、うまいこと円環をなす構造をもった脚本は案外よくできている。それを手がけているのは監督の吉田恵輔というひとで、これまで観たことがなかったのだけれど2013年には3本もの監督・脚本作品が公開されていて、なかなか嘱望されているみたい。
全体の雰囲気は典型的な邦画で、実はちょっと長いという気がしたのだけれど、そうはいっても99分の尺でしかないことむしろ驚いた。感情移入を拒むこのつくりは意図的なものであろう。