『タイピスト!』を観る。タイピングの選手権を舞台にしたスポーツ根性ものという評はまったくその通りで、フランス映画という感じもあまりしないけれど、1950年代という設定がなければこれほどひねりのないロマンスは描けまいというくらいの王道感があって、何も考えずに観る向きには好適といった感じ。
ロマン=デュリスは男前というより少し悪人顔が入っていると思うのだけれど、秘書として雇った女性をタイピングの選手として養成しようという変態的な嗜好を踏まえれば妙な説得力がある。主演女優のデボラ=フランソワはタイピングの早打ちを実際に習得して撮影に臨んだとかいう話を読んだことがあるけれど、実際に使われているシーンでもそこそこ立派なテクニックを披露している。