『ナイトクローラー』を観る。ジェイク=ギレンホールが報道パパラッチに手を染め徐々に道を踏み外していく主人公の役回りで、サイコパスともソシオパスともつかない不気味な男を演じきっている。大幅な減量で眼窩の窪みが目立つようになっていることに加えて、まず瞬きの数が極端に少ないし、セリフ回しにも異常性が際立っている。とりあえずの見どころはそのあたりだけれど、クライマックスの異様な展開もまたなかなかのものである。
That’s my job, that’s what I do, I’d like to think if you’re seeing me you’re having the worst day of your life.
だがしかし、こうしたパンチラインや主人公の特異性よりも、主人公が起業家然として語る内容の凡庸さと報じられるニュースそのものの既視感にこそ怖さがあって、脚本家出身のダン=ギルロイの初監督作品ということだけれど、これはかなりよく出来ているのではあるまいか。