『高慢と偏見とゾンビ』を観る。何しろゾンビものが好きなので、セス=グレアム・スミスのマッシュアップ小説をうっかり買い求めたことがあって、ジェーン=オースティンの原典を切り貼りしてゾンビで繋ぐというアイディアそのままのその原作本は感心するところが全くなく激しく後悔したものだけれど、この映画のほうは『高慢と偏見』への傾倒はほどほどで、きちんとオリジナルストーリーが組み立てられており、それでもジェーン=オースティン風味は残って案外、見どころがあるので少し意外な感じすらした。これは正しい方向であろう。脚本は監督を務めたバー=スティアーズが書いていて、この人は『10日間で男を上手にフル方法』の脚本家ということなので、さもありなんと思うのである。うまい。だがしかし、このようなヘンテコな物語を求める向きがどれほどいるのかは不明。