『事故物件 恐い間取り』を観る。亀梨和也主演、中田秀夫監督で、コロナ禍の2020年にあってもそこそこのヒットとなったホラー。10年続けたコンビを解散し途方に暮れる山野ヤマメは、事故物件に住む芸人として業界での生き残りをはかる。今だと『コントが始まる』と重なる文脈があって、春斗がマクベス解散後、やむに止まれず事故物件に住む未来だと思えば暗然とするわけである。いやぁ。
この映画の原作は、実在する事故物件芸人の本だそうである。お笑いにそうしたジャンルが存在すること知らなかったのだけれど、映画は状況設定だけ拝借しているとみえて、かなり極端な怪異が登場する。まさか、現実にインスピレーションを受けたというわけではなかろうが、ラスボスの形態があのようになったのはどうしてなのかは少し興味がある。そして江口のりこは中田監督の世界観を全うする立派な仕事をしている。