Netflixにもう『テネット』が来ていて、なんとなくこれを観てしまう。長くて複雑な物語であればこそ、再読したほうが面白いのである。面白い。
これは初見の時も思ったのだけれど、マイケル=ケインにブルックス・ブラザースのスーツをダメ出しされて、仕立て直したスーツが明らかに上等だとわかるのがクリストファー=ノーランの演出の力というものだろう。実写へのこだわりどころか、ごくわずかな質感の違いを映像化することまで意識していなければ、このシークエンスそのものが出てこないと思うのである。
政府の分科会の専門家を中心とした有志が、オリンピックを開催するのであれば無観客であることが望ましいという提言をしたこの日、JOCの会長は、できるだけ多くの人にカンセンして欲しいと言って、いつの間にかボトムを1万人とした条件闘争みたいな成り行きになっている。いうまでもなく、デルタ株は忖度などせず、ちょうど開会式あたりに向けて衝突コースにのっているイメージで、いったいどうするつもりなのか。