地獄が呼んでいる

『地獄が呼んでいる』を最後まで観る。神の意図を問うという困難な題材を扱っているのはいいとして、ついに登場人物も意味がわからないと言い始める最終話。もちろん、神の意図の不明を人間が利用するという物語なので、わからなくていいというものではあるものの。前半と後半の印象がかなり異なる物語でもあったけれど、続きがあるようにも、ないようにもみえる終わり方は悪くない。これを10話といえば長すぎるが、この構成で6話完結というのはちょうどよかったのではなかろうか。いや、物語は完結しておらず、ひょっとすると序章くらいの状況ではあるとして。

人間と怪異がもたらす理不尽でショッキングな場面が見どころのドラマではあるけれど、役者の演技にも凄味があって、ことに前半、刑事の娘を演じるイ=レの場面には鳥肌が立ったものである。陰惨な復讐を遂げた人間の複雑な感情というのは、なるほどこのように発露することになるのであろう。