スワン・ソング

Apple TV+でApple Originalsの『スワン・ソング』を観る。Mahershalalhashbaz Ali改めマハーシャラ=アリが主演の近未来SF。タイトルの通り、美しく終わりを予感させる静かなリズムで物語はすすむ。美術もそれに応じて洗練されたもので、高度に設計された画面レイアウトと相俟って美学を感じさせる。正味な話、画面がいちいち美しいので、それだけでも観る価値があるが、全体の物悲しさとラストシーンがいい。

一線を画しているのはテクノロジーデザインで、身の回りの電子機器のデザインはフラットなミニマルデザインの極北とも見える完成度の高いもので、レイトレーシングをGUIに応用し巨大なGPUパワーを活用していく方向といいうのは結局、こういうことになるのではないかとさえ思わせる。『マイノリティ・リポート』がコンピューティングの未来像として参照されていたこともあったけれど、これは新たなリファレンスになるのではなかろうか。