巨大噴火

この日の午後、トンガのHunga Tongaで発生した巨大な海底噴火が深夜になって日本の沿岸に潮位変化をもたらし、海面の上昇が観測される。気象衛星の画像を見ると、この噴火は本州を覆い隠すほどの規模として観測されており、VEIの指数では暫定で6となる規模の、並外れて巨大なものとなるらしい。1991年のピナツボ火山の噴火に匹敵するか、それを上回ることになるだろうから、個人史においても最大規模ということになる。

チリ地震のときにそうだったように、太平洋を伝わってきた津波は東北では増幅されたものとして観察されることがあるけれど、何しろこの規模の海底噴火が空振やカルデラ陥没によって津波を生じさせた事象は観察されたことがないだろうから、いったん日本への影響はないという発表になったのも責めることはできない。

そして発生した衝撃波が日本列島でも気圧の変化をもたらしたようだが、これは地球を何周もしながら減衰していく波の第一波ということになる。

このたびの噴火はカルデラが形成される規模で、人生においてそう何度も起きることではなかろうが、日本近海でも最近の福徳岡ノ場の地殻変動は噴火をともなったもので、この上、さらに何が起こるかはわからない。

そうでなくとも、今回の噴火がピナツボと同様に極端な寒冷化をもたらす予想には蓋然性が高く、実際にそうした気候変動が起きなかったとしても、その予想自体が逼迫する穀物市場にさらなる高騰をもたらすことになる。2021年までに拡大した世界の貧困と飢餓は、この天変地異によってさらに深刻化するのではないか。