平家物語

『平家物語』の第1話を観る。古川日出男の現代語訳をもとに、独自の脚色を添えたアニメーション。語り部に先読みの眼をもつ琵琶法師の子「びわ」というキャラクターを据えて、ちょっと驚くくらい芳醇な物語を生み出している。高野文子によるキャラクターデザインもサイエンスSARUによるアニメーションも秀逸。アニメで『平家物語』を作ろうという意図が今ひとつ飲み込めていなかったのだけれど、琵琶法師の子「びわ」による平曲がカットインされる演出ひとつ、これはなかなか大したものだと感心せざるを得ない。情緒と高い格調があって、なお面白いのである。『鎌倉殿の13人』と同じ時間軸を扱っているのも時節に合っていて、これは楽しみ。

国内の新規感染は過去最高を更新して4万人を越える。維新支配下の関西自治体は蔓延等防止措置の要請を見送りという話がニュースになっているけれど、想像力の決定的な欠如がもたらす愚かな判断という一点で維新そのものの所業で、急速な蔓延に駄目を押すことで社会機能は遠からず麻痺することになるだろう。行政に責任を負いながら、その一切に何ら痛痒を感じないであろうというのも、また維新なのである。