Disney+で『ザ・メニュー』を観る。孤島のレストランで供される絶品の料理を味わうために集った上流階級の面々が、コースが進むにつれ奇妙な違和感に直面することになる。孤島のサバイバルものと思いきや、サスペンスはほぼ店の中で終始する密室劇で、異様な論理と秩序のもとで物語は進む。いわゆるハイソな人々を倒置して酷い目に遭わせるあたりは予想の通り。
107分の尺でちょどよい印象の脚本には、しかし妙な説得力があって、レイフ=ファインズが演じるシェフの狂気にもうかうかと納得してしまう感じ。その厨房のチームの存在感ときたら、アニャ=テイラー・ジョイに並ぶくらい。まったく違う話ではあるけれど、『サマータイム』を思い出したものである。