MONDAYS / このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない

『MONDAYS / このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』を観る。タイムループ設定と映画の相性のよさは今さら言うまでもないけれど、きっちりフォーマットを守れば特に説明もなく事態が了解できるほどには観客の方も慣れていて、話は速やかにすすむ。

日本の産業構造の末端、クリエーションの下請け階層構造の最底辺にあろうかという弱小制作会社の職場を舞台にしているのが面白味で、繰り返しの状況を逆手にとって理不尽な仕事のクオリティがぐいぐい良くなっていくシークエンスは笑う。全体に練られた脚本で、細部が作り込まれ、ドラマとしてもよく出来ている。円井わん演じる主人公の吉川が元請けを訪問する場面、日常とループの境界を曖昧にしていくあたりも秀逸。画面の作り方も立派なもので、竹林亮監督の才気を感じる。面白い。