『奈落のマイホーム』を観る。2021年の韓国製のパニック映画で、本国ではそれなりにヒットしたらしい。念願のマイホームを購入し、真新しいマンションに引っ越した直後の家族が施工不良の疑念を抱くのも束の間、突然にマンションは直下の大きな穴の中に沈み込む。それが沈下というようなものでなく、500メートルを垂直方向に落下するという話だから、よく考えるまでもなく荒唐無稽な話なのである。なんだこれ。
後半は韓国映画に一ジャンルを形成する典型的なサバイバルものの展開で、つまりもともとそういう映画だから、文句をつけるようなものでもないとして。主人公の家族と因縁をもつ得体の知れない男をチャ=スンウォンが演じていて、このあたりの設定がコメディ要素に効いて、考証はともかく脚本の出来はそれほど悪くない感じ。
ゴールデンウィーク中盤のこの日、日もそろそろ暮れようかというタイミングで携帯の緊急速報が山火事の発生による避難指示を伝える。霧ヶ峰で起きた下草火災が延焼して、付近の別荘地にも危険が迫っているという話のようである。10年前にも山焼きが燃え広がり大きな火災になっているのだが、ほとんど同じ様子で夜の闇の中、山頂付近に広がる炎の円環が見える。