『オーストラリア』を観る。大作である。ニコール=キッドマンとヒュー=ジャックマンを中心に据えて、オーストラリアを撮ろうというのだから、その意気込みたるや半端ではなくて165分。(言うまでもなく両名はオーストラリア出身)内容は大河ドラマのごとく盛り沢山なので3時間弱でも足りないくらいであり、手際の悪さと相まって実際、無理に短縮された感が拭えないのだが、それよりも際立っているのはコメディパートの奇妙さであろう。歌わないミュージカルみたいな、いちいち大仰な演出がかなり古風な雰囲気を醸し出している。監督は『ムーラン・ルージュ』の人で、まぁ、あの様相なのである。脚本は段取り悪くバランスを欠いており、演出も基本的なアラが目につくので如何なものかと思われるし、肝心のオーストラリアもスケール感に乏しく風景は紋切り型なのだが、キャラクタの造型はそこそこ魅力的に出来ていて結局は最後まで観られる。