『バビロンA.D.』を観る。シャーロット=ランプリングが天本英世に似ているということを発見して頭の風通しが良くなる。それはともかく、『人類の子供たち』のような話なのかと思いきや、微妙に被っているところはあるにして、そのような域には達していない中途半端な筋書きである。どうやら行き当たりばったりに組み立てられているとみえて、個々の場面がそれなりの描写であるにもかかわらず全体としては訳が分からないあたりがちょっと辛い。せっかくミシェル=ヨーが出ているのに見せ場がないというのも不可解であり、ちょっと老け始めていることもあって、こんな作品でキャリアを薄めている場合ではなかろうと、お節介にも思ってしまうのである。わざわざ原子力潜水艦を登場させておいて、舞台装置としては貨物船と選ぶところがないというのも意味不明だったり、全体として残念なところが多い。