『センチメンタル・アドベンチャー』を観る。クリント=イーストウッドの1982年の監督作品で、実の息子との競演によるロードムービー。原題は『Honkytonk man』で邦題の意図は謎。当時はアドベンチャー流行りだったのかもしれないが、もちろんそんな内容では全くなくて、冒頭から『怒りの葡萄』の世界だし、随所にユーモアはあるにして、人生はいろいろと大変だという展開。本作でのクリント=イーストウッドは演出以上に演技と音楽で才能を見せており、結核を病んだ主人公を演じて、しかし魅力的なキャラクタを造形しているし、ギターもピアノも実に達者なものである。ラストは『グラン・トリノ』に通じる雰囲気があって、いやもう、いろいろすごいなと。