『消されたヘッドライン』を観る。ラッセル=クロウがまたもや大幅に増量して記者を演じているが、役作りのためかどうかはもはや不明。ベン=アフレックが下院議員の役で、近頃ではすっかり人相が悪くなってしまっていて、この配役でポリティカル・サスペンスをやろうというのは正しいと思うのだが、実はポリティカルな要素はほとんどなく、終点で脱線してしまった感のある結末もいかがなものか。おいおい、これまでの話はどうなっちゃったんだよという展開であり、それこそ圧力でもかかったのではあるまいか。主題とは別に通底しているのは新聞の衰亡であり、エンドロールはその葬送のようでもある。俳優陣は案外、充実しており、威勢のよいレイチェル=マクアダムスとか、女王様風編集局長のヘレン=ミレンとか、もう少し見せ場があってもよいくらい。