『FRINGE/フリンジ <ファースト・シーズン>Vol.1』を観る。オープニングで雷雲を背景に飛行するジャンボとか、『パニックルーム』風のキャプションとか、演出にあざといけど尖ったところがあって、しかも冒頭は『ザ・ストレイン』と同じ状況設定である。テレビシリーズのパイロット版としては十分過ぎるほど力が入っており、息切れが心配になるくらいだが、その後は『羊たちの沈黙』みたいな展開が待っていたりと何かと弛みがない。そして何かと無茶な展開でもあるのだが、国土安全保障省やらCIAやらFBIやらが入り乱れているという設定なので、奇妙な説得力がありこのあたりの運びは巧い。感心しているうちに話は一線を越えて、彼岸の物語が顔を覗かせたり、ドンデン返しがあったりと見どころ満載。よくよく考えると勢いに頼っているだけという気がしないでもなく、ヤマ場は『ザ・セル』みたいな仕掛けであり、過去作の美味しいところを繋げた筋書きには賛否あろうが十分、J・J=エイブラムスの製作だけあって普通に面白く、TVシリーズは何かと長くなるので自粛していたのだが、これは続けて観るつもり。